スザンナ・ヨーク
スザンナ・ヨーク(Susannah York)は、イギリスのロンドン市に生まれた女優です(1941年~2011年)。大きな目とベビー・フェイスが特徴です。
彼女はスコットランドのトゥルーンやノーザンプトンで育ち、素人の劇団に参加した後、イギリス王立演劇アカデミー(王立演劇学校; RADA)で2年間演劇を学び、1960年に公開されたイギリス映画「Tunes of Glory」にデビュー。
ハリウッドでの映画デビューは1962年に公開された「フロイド 隠された欲望」でした。人気が出たのは「ひとりぼっちの青春」(1969年公開)で、アカデミー賞助演女優賞の候補に挙げられました。
この写真は1969年に公開されたイギリス映画「空軍大戦略」(Battle of Britain)の一場面です。服装監督はブレンダ・ダブス(Brenda Dabbs)、衣装提供はジョン・ウィルソン・アパーソン(John Wilson-Apperson)。
空軍大戦略
スザンナ・ヨークが演じるマギー・ハーヴェイは地域事務官を勤め、クリストファー・プラマー演じるカナダ人パイロットの部隊長コリン・ハーヴェイと夫婦です。スザンナはショート・ヘアが似合います。
彼女は黙劇(無言劇、パント・マイム)が上手いと言われるように、場面ごとに色んな表情を豊富に示しています。
上の場面は、ドイツ軍のメッサー・シュミット(Messerschmitt, or BF 109)とハインケル(Heinkel)による爆撃・射撃によって味方イギリス軍女性同僚たちを一挙に失った場面です。スザンナの豊かな表情が感じられます。
このイギリス映画「空軍大戦略」は、爆撃機ハインケルと護衛機メッサー・シュミットに対し、特にイングランド北部を守る戦闘機スピットファイア(Spitfire)が応戦する様を中心に描き、英独双方の人間模様も加味しています。
スピットファイア
この映画の有名な逸話ですが、小言の多いドイツ軍上官が、部下たち大して、たまには望みをかなえてやるぞと偉そうに尋ねると、部下たちは「スピットファイアの部隊を作ってくれ」と頼みます。スピットファイアの戦闘能力を高く評価した言葉です。同時に、スピットファイアと互角に戦えたといわれるメッサー・シュミットがハインケル機の護衛に指定されたために本領を発揮できなかったという悔しさも、映画の一場面に描かれています。
ガーター・ストッキング
この映画ではスザンナ・ヨークが演じるマギー・ハーヴェイと夫のコリン・ハーヴェイが二人で過ごす場面がたまに描かれています。その中の一場面がこれです。マギーはガーター・ベルトにストッキング(長靴下)を穿いています。当時は、パンティ(ショーツ)部分とストッキング部分とをつなげる技術が無く、ガーターにストッキングを吊るすようにして穿いていました。
パンティストッキングが当たり前になった昨今、逆にガーター・ストッキングがセクシー下着の代表的な地位を確立してきましたが、逆に20世紀前半に長靴下をズレずに穿くには、ガーター・ベルトにストッキングを留めるしか方法がありませんでした。
スザンナは1973年にファンタジー『In Search of Unicorns』をHodder & Stoughton Ltd から出版しています。
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