バック・ダンサー イレブンプレイの衣装:星野源「恋」

ファッション歴史
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星野源「恋」のプロモーション・ビデオに出ているバック・ダンサー「イレブンプレイ」(ELEVENPLAY)の衣装が可愛くて、教え子が「いつ頃の?」と尋ねてきました。

彼女の意見や感想を聞きながら調べてみました。

イレブンプレイのダンサー用衣装を担当するYae-ponの情報が分からないので、推測で時期確定をしたいと思います。

キーパーソンはオードリー・ヘプバーンです。

件の曲はこちら。

イレブンプレイの衣装の特徴

(c) hoshino gen, イレブンプレイ

「恋」の映像を見ると、黄色一色のワンピース女子2人と白のブラウスに黄色のスカートの女子2人がいました。

特徴に思えたのがこのあたりです。

  1. スカート丈が膝辺り
  2. 素足に靴下
  3. レースの手袋
  4. ストラップの付いたハイヒール・シューズ(メリー・ジェーン/メアリー・ジェーンだがハイ・ヒール)
  5. スカートに皺が多い(ギャザーかダーツを使っている)
  6. 短髪にパーマ(1人は長髪を後ろで結ぶ)
  7. 半袖(一人は袖無し)
  8. 黄色のワンピース女子2人と白色ブラウス1人は袖を折り返している(ロール・アップ)

パッと見ただけでは1950年代アメリカです。

短髪の活動性にパーマで女性性を付与するのは1950年代アメリカかと。メイクもそれっぽい。

確証を増やしたいので「作業用」と題したピンタレストを作って(今はありません)、Elevenに似ていると思うものや彼女の好きなものを選んでもらいました。

すると、彼女は白黒写真が近いと答えてくれたので、1950年代アメリカに近づいたかと思いました。

また、学生は全体的な印象として、

  • 腰が細くなってる感じ
  • レースの手袋をしている
  • 大きいリボンとかスカーフとかつけてる
  • ポップなデザイン

を指摘してくれました。

Yae-ponの衣装方針が分からないので「ABOUT US | elevenplay」をみると、舞踏指導(振付師)のMIKIKOにアメリカ滞在の経験があるとのこと。

もちろん、彼女はダンスなので、衣装に直結する経験ではないですけど、プロモ制作の方向に大なり小なりアメリカがあるのは確かだと思いたい。

衣装とアメリカン・ファッションとの関係

ただ、それ以上は分からないので、上に書いた学生の印象4点と1950年代アメリカの方向で狙い撃ちして検索。

すると「Clothes and men’s and ladies fashions in the 1950’s prices and examples」というページを知りました。

このページの後半に「Conformity in Style」という項目があり読んでいくと、1950年代アメリカではウェストが細くなって、普段着・外出着のお洒落にAラインが定着した様子です。

1950年代には日本でもアメリカAラインが流行り出していて「落下傘スカート」といいましたね。

イーディス・ヘッドとオードリー・ヘプバーン

次いで知ったのが「Audrey Hepburn's Looks and Fashion – photos」のページ。

The costumes were created by a Hollywood designer Edith Head. He offered her flat shoes, wide belts, cotton skirts gathered at the waist and plain blouses with rolled up sleeves.Audrey Hepburn’s Looks and Fashion – photos

ざっと意訳すると、1950年代ハリウッドのコスチューム(衣装)はイーディス・ヘッドというデザイナーが多く手掛けていました。

イーディス・ヘッドはオードリー・ヘプバーンに平底靴、幅広ベルト、木綿のスカート(ウェストにギャザーあり)、半袖を巻き上げる形で平坦なブラウスを提供しました。

さて、イレブンプレイの女子はハイヒールですが、ストラップが付いていてメリージェーン形態です。1950年代アメリカの雰囲気は残されています。

ハイヒールを除けば、黄色ワンピースの2人の衣装は完全に上記の引用箇所と重なります。

袖のロールアップ、腰のギャザー。

白シャツに黄色スカートの方は、ロールアップはありませんが、腰のギャザーは当てはまります。

あと、髪型とリボンは「1950s Fashion for Women」を参照し、このページの最初の写真の女子(財布の中身か何か見て興奮してる女子)の短髪のカール・パーマに胸元のリボン、おまけに化粧。

プロモのイレブンプレイはこれに近いでしょう。

こうやって調べていて途中で気づいたのですが、女子学生が「pinterestのやつなら、上から5個目の白黒!」と仰ったその写真、オードリー・ヘプバーンですね…(苦笑)。

最初から気づけという話かもしれませんが。

というわけで1950年代アメリカと断定できると思います。

スカートの丈から裏づけすると

裏づけとして、ELEVENの女子4名のスカート丈に触れますと、絶妙に膝頭が見えるか見えないかの長さになっています。

あれが1960年代になると膝頭が見えるようになります。

アンドレ・クレージュやマリー・クワントたちが流行らせたミニ・スカートの時代です。

もちろん、極端に貧しい人々はいつの時代もどこでも裸に近かったですし、肉体労働者や工場労働者には膝上あたりの丈のスカートをはいていました。

これを除いて都市部のファッションだけ見たら、1950年代まで膝は見えません(海水浴除く)。

冒頭で「素足に靴下」と「手袋」を上げましたが、ELEVENのつける手袋はレース製のもので透けています。

1960年代になりますと、シースルーの魅力はミニスカートと組み合わさって脚に移ります。

パンティ・ストッキングの時代です。

結論

以上のことから、「星野 源 – 恋 MUSIC VIDEO」は「1950年代アメリカ合衆国の都市部女性たちをイメージしたもの」かと判断します。

残る課題としては、メリー・ジェーンのハイ・ヒール・シューズが当時のアメリカで一定に広がっていたかどうか、いずれ調べていきます。

先に触れましたが、メリー・ジェーン・シューズとは足の甲にストラップの付いた靴のことです。

アンドレ・クレージュの1968年の作品」を紹介しておきます。

イレブンプレイのダンサー4名の衣装に関する技術的な話は続編をご覧ください

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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