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ユニセックス :ルックの展開とLGBT時代から見直した特徴

ファッション歴史
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ユニセックス

ユニセックスとは男女の性が結合された状態を意味し「男女の区別がない」の意。簡単にいえば「男女兼用」。

モノ・セックス(単一の性)、ノン・セックス(性無し)も同義です。もともと、ユニ(uni)とは「unite」の接頭語で「結合する」こと。

ユニセックス・ルックの展開

ユニセックス・ルックは、トランスセクシャル・ファッションとも呼ばれ、男女の性別を超越したファッションの総称です。

パンタロン・スーツやサファリ・スーツがなどが代表的ですが、20世紀後半にユニセックスがとくに普及したのはジーンズの流行からです。

男女の接近した時代(≒女性が強くなった時代)は、これまで1920年代と1960年代だいわれてきました。

ファッション史でも、1920年代のギャルソンヌ・ルックの台頭、1960年代のTシャツ、デニムジーンズの流行が象徴的です。

このうち、ユニセックスの初出を革ジャン+ブルージーンズに求める説があります(「20世紀モード史」384・385頁)。

ユニセックス風のモデル ツィギー(Twiggy): 1960年代「社会変革の時代」「女性に対して緩くなった社会的タブーによって、ユニセックスの衣装や有名なミニスカートが発展し、今日の私達はそれらを絶対崇拝しています」。60s: Era of Social Reforms: “The relaxed social taboos against women led to the development of unisex fashion and the famous mini skirts that we absolutely adore today”. via Evolution Of BagStyle Files

1970年代はオイル・ショックの影響からユニセックス・ルックも沈滞ムードになりました。

見られる男性

しかし、1980年代後半から、ファッションを含めて社会全体に男女関係を見直そうという気運が当時の先進諸国で一般的な現象となりました。

しかし、この時期のユニセックス現象は、女性が強くなったというだけでなく、そこには、これまで女性が役割を担ってきた「見られる性」を男性も受容しようという傾向が見られました。

アメリカ映画『アニー・ホール』でダイアン・キートンが着ただぶだぶの男物ジャケットがその典型。

20世紀後期のブランド界では、1980年代初頭にアンドロジナス・ルック(アンドロジナス=両性具有)を提案し、1987年春夏のパリ・コレクションを「オム・オブジェ」で賑わしたジャンポール・ゴルチエが、ユニセックスの代表例です。

他にも、同1987年のトキオ・クマガイ、1988年春夏パリコレでのヨウジ・ヤマモトなども例に挙げられます。

これは、男性のファッションが追求されるようになったという意味で「新ユニセックス・ファッション」と呼ばれることもあります。

モードの西洋化からみたユニセックス

ユニセックスは女性解放運動の一環として意義のあるものですが、他方で世界規模でのモードの西洋化から見ると、いちがいに絶賛できない面ももっています。

20世紀の間に階級差と性差が消滅しはじめ、一層単一的な衣服へと収斂していく傾向がはっきりと確認されます。

人類衣服のユニフォーム化、ブリュノ・デュ・ロゼルの言葉ではモードのユニフォーム化現象です。

ユニフォーム化ゆえに個性を発揮しやすいという説にロゼルが加担しているように思え面もありますが、没個性と個性の両面で近年のモードが揺らいでいる点も指摘しています。

ですので、ここで結論づけるのは止めておきます。

つぎの項目でユニセックスを現代的な性的問題におき直して締めくくります。

ユニセックスとLBGT

冒頭で述べたように、ユニセックスは男女の性が結合された状態のことで「男女の区別がない」意味です。

最近注目されているLGBTと比べると、ユニセックスには次のような特徴が加わります。

レズビアンとゲイは女性同士、男性同士ですからユニセックスでは無く、ストレートも男女相互を根拠にするのでユニセックスではありません。

バイセクシャルも同様にユニセックスではありません。

なぜなら、バイセクシャルは男女の区別を根拠に相互関係で男女が入れ替わるのであって、単体に男女の性が結合したものではありません。トランス・ジェンダーもしかり、性転換を根拠とするのですから。

したがって、ユニセックスはLGBTを超える存在であると同時に、いまだに出現していないまま宙吊りにされた状態といえます。

アンドロジナス・ルックが提案されても、それは衣服におけるユニセックスであり、人間においてはまだ宙づりの状態です。

2010年代のいろんなファッションショーの新作衣装をもとに、ユニセックス・ファッションがニッチ・カテゴリを超えるものとなるかを検討しています。

結論を紹介しますと、まだまだ私たちがユニセックス・ファッションを運動として呼び起こすには難しいとしています。

とくに多くの男性消費者にとって、ユニセックス・ファッションはまだ難しいカテゴリーの一つだと考えています。

文化的ジェンダーの規範がまだまだ根強いことがその理由です。いつの時代も男性が男性でいたい、女性が女性でいたいという人々が多数います。

メタ把握:貫頭衣からみたユニセックス

これまで述べてきたユニセックスは20世紀の男女差を念頭においたものです。

超長期的な視点からみると、ユニセックスの衣装は当たり前のものでした。

古代の東西で着られていた貫頭衣。今でいうチュニックやワンピースですが、これに男女差はありません。

地域によっていつごろか、裁縫レベルの高い地域ではズボンが開発され、貫頭衣に併用されたり、貫頭衣が短くなってツーピースでズボンを穿いたこともあります。だからといってズボンを男性だけが穿いていたというのは、地域差や時代差があります。

このように超長期的な視点からみると、人類のユニセックス・ファッションは多くの時間を占めていました。

ただ、20世紀の文化に慣れている私たちは、つい男の下半身をズボン、女の下半身をスカート捉えがちです。

これに関して中国の貫頭衣を真っ向からとらえた記事が参考になるかと思います。ユニセックスから考えずに、ついつい、男女とズボン・スカートを対応させたがる癖です。

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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