本書は、刊行から1世紀近く経つヴォーグ誌の歴史と衣装・美容の歴史を伝えています。いわば、撮影者とモデルの2面から楽しむことができるヴォーグ・ツアーです。
衣装に包まれた女優たち、それを写した写真家たち、彼ら・彼女らを取り巻くエピソードを詳しく知りたかったのですが、テーマ説明に比して写真解説が少なく、少々残念。
扱う時期は長く、1920年代から30年代のシックで大胆なファッション転換について、フォーマル・ドレスの設計師(デザイナー)やロイヤルティを描いた初期のファッション誌が扱われ、最近のファッションと美容文化の歴史までが対象です。
目次
目次は以下の通りです。
序文、忠実性または忠誠度(Royalty)、社会的女性、発想、女神、王家、モデル、スター、エキゾチック・エスニトリック、妻、アイコン。巻末に、謝辞、人名索引、クレジット。
感想
テーマ説明は多いのですが、写真解説は少ない。
テーマの方では、戦時中の女性たちの勇敢な印象、パリでの魅力の再現、ファッション・モデルの登場、80年代後半のスーパーモデルの先駆けだったファッション・アイコンの誕生が楽しめます。
ヴォーグ登場の女性は、アレクサンドル女王の時代から今日まで、スタイルの根本的変化に耐えられる美しさの象徴を精査しています。専門の写真、化粧、髪型、ディテールに細心の注意を払う「ヴォーグ・トリートメント」まで取り上げられています。
この手の図録を見る時の通例で私はいつもグレタ・ガルボとカトリーヌ・ドヌーヴとマドンナの扱いを機にします。グレタ・ガルボとカトリーヌ・ドヌーヴは、それぞれMusesとIconsの項目で言及されています。マドンナは出てきません。
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Georgina Howell ed., Vogue Women, Running Press, 2000
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