初秋に便利なスリーピース:ミカレディ・コンフェクション
この3点のアンサンブルは「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、100頁~102頁に特集された「初秋に便利なスリーピース:ミカレディ・コンフェクション」です。
特集を提供する会社はオーミケンシ、ブランド名は「Mica Lady Confection」、撮影は立木義浩です。
1点目は熟女風に綺麗で、2点目と3点目は若いギャル風に可愛い。どれもコントラストの効いた作品でお気に入りです。
特集リード文
日中の陽ざしはまだ強いけれど、朝晩はぐっと涼しいこの季節には、湿度の調節しやすい服装が便利なので、特に、ジャケットとスカートに、プルオーバーの組み合わせばかりを集めました。ウール100%のニットなので、軽くてしわにならず、街着から旅行着まで広くお召になれます。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、100頁
特集リード文批評
プルオーバーとは頭から被る衣服の総称。前後に開きのないセーターをよく指します。
真珠色のスリーピース
リード文
流行のカーディガン・ジャケットの配色とプルオーバーを同色にしたしゃれた組みあわせ。色は他に、黄、紺、赤、グリーン。サイズは9、10、13。18,000円。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、100頁
リード文批評
セーターが立領で、セーターの色とジャケットのストライプの色が同じなのでシックに決まっています。このモデル女性の表情とメイクはホステスを想像させます。ちょっと鉢植えとはマッチングしません…。
赤いスリーピース
リード文
細い配色ラインをくっきりときかせたジャケットとプルオーバーの一揃い。若むきのデザインです。色はこの他、キャメル、ブルー、黒。サイズは、9、10、13。16,000円。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、101頁
リード文批評
細い配色ラインはパイピングのように見えて女子向き。ボタンがないのでスポーティに見えます。シンプルなカッティングになっている点も含めて、アンドレ・クレージュの作品を想像させます。
モデルの表情が強めの笑顔で可愛い。髪の毛はアップかポニーテールの方が良いです。
赤いスリーピースと記されていますが、プルオーバーは白色が基本で赤色部分は縁だけなので、命名はミス。
金茶色のスリーピース
リード文
シャネル調の上着の縁取りと、柄編みの色をあわせたロールカラーのプルオーバーの組みあわせは、年齢をとわず着やすいデザインです。色はこの他に、黒、赤、ミント、ブルー、サイズは9、10、13。16,000円。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、101頁
リード文批評
モデルの表情が強めで可愛く、やや目元と口元にダークな側面が垣間見えます。下のまつ毛がパンチ効きます。かなりタイプです。
シャネルのジャケットというと大きなポケットを想像してしまいますが、リード文のいうとおり、このシンプルな構成もシャネルらしいといえばそうです。
ただし、シャネルがデザインしたとすればスカートの膝は隠れます。クレージュだと中のセーターにボーダーは入れません。
ここに1960年代ミニスカートの影響を見ることができます。
2点目の作品もシンプルですが、衿が若さを強調していました。これに対して、こちらの作品は衿なしがかえって幅広い年齢層に向くようになっています。
それにしても、このモデル女性、綺麗で可愛くてカッコよくて、堪りません…。1枚目と2枚目の作品には植木鉢が添えられていましたが、3点目のこの作品には散った花が無雑作に並べられています。やつれたキャバ嬢風なこのモデルの女性には相応しいかもしれません。
めちゃくちゃタイプです。失礼しました。
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