このページでは「婦人画報」1974年4月号(136頁~139頁)に掲載された木綿縞のシャツドレスを紹介しています。
特集は「東洋紡コットン・コレクション」、カメラは芝崎俊雄、デザインはルリ・落合(落合ルリ)、ヘアスタイルは宮崎美容室によります。文章は現代文に訳してまとめています。
もめん縞のシャツドレス:ルリ・落合
縞は先染の代表的な一つです。古くから着物地の唐桟縞のような土臭い配色の縞をシャツ・ドレスにしました。縞柄は捻ったデザインよりも、そのままさらりと使うのが縞の味を活かせられます。
上の作品は、シャツ身頃で横に、プリーツ・スカートで縦に縞を畳みました。
濃い色を隠してあります。
生地はレノ・サテン・ストライプ、東洋紡 レナウン・ファブリック製です。
上の作品は古風な配色です。
高い衿のシャツに革ベルトを締めます。
生地名はレジメンタル・サッカー、東洋紡 レナウン・ファブリック製です。サッカー地は「サッカーとは」をご参照ください。
このシーズンの基本はベージュ色。
その中にドットを織り出し、白色と合わせたのは大人の感覚。
大きなパフ・スリーブも女性らしさを表現します。生地はドット・バラエティ・ストライプ、東洋紡 レナウン・ファブリック製です。
縞に刺繍を施した、リボンのように手の込んだ柄。
細長く仕立てた衿は首に沿って立てて着るのが粋な着こなし。
生地はジオメトリック・ドビー・ストライプ、東洋紡 レナウン・ファブリック製です。
作品批評
ルリ落合のデザインは大胆な配色を特徴としますが、今回の一連の作品は濃い色を隠したり逆に強調したり、綿生地の縞柄を洋服に活かしたものです。
1点目と3点目は上衣部分と下衣部分とで縞の方向を変えています。2点目と4点目は同じ方向で上下に。やはり工夫を感じるのは1点目と3点目で、あっさりした感じに仕上がっています。
4点とも衿を折り返しにして大きく作っています。これらの作品に使われているやや地味な色の縞柄でも意外に目立ちます。
通常の衿幅だと、身頃から真上に上がってくる縞(1点目を除く)に衿の縞が勝てません。
つまり衿の存在感がかなり貧弱になるので、これくらい大きくしたのかと思います。
関連リンク
- 岸洋子さんと叔母のこと – bakaフォトラーottiの写真三昧 – Yahoo!ブログ – この作品のデザイナー落合ルリの甥っ子さんの日記です。
- 写真作家・落合マサユキ – 落合ルリの甥っ子さん落合マサユキ氏のfacebookページ。
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