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夜の集まりに着るコートとドレス:ルリ・落合デザイン

1960年代ファッション
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夜の集まりに着るコートとドレス:ルリ・落合デザイン

ここに紹介する2点の画像とリード文は「婦人画報」1967年12月号14頁・15頁に特集された「夜の集まりに着るコートとドレス」です。
ルリ・落合が衣装デザインをしています。撮影は大倉舜二。

カクテル・コート

ルリ・落合デザイン「婦人画報」1967年12月号14頁

ルリ・落合デザイン「婦人画報」1967年12月号14頁

リード文

ベージュ地に格子柄をうきあがらせた絹のふくれ織です。テーラードカラーの、ダブルの打ちあわせという、なにげないコートですが、こんなコートはなん枚もつくれるものではありませんので、上等のきれ地で平凡なデザインにしておくほうが長もちしますし、どのドレスにも似合います。

出典「婦人画報」1967年12月号14頁

リード文批評

「うきあがらせた」という織物生地の形態をきちんと書いているのがルリ・落合らしいところ。織り方の説明や織物の柄の説明は「○○織」とだけ記すリード文が多いなか、丁寧な説明が今回も活きています。
もう少し論理を追いましょう。面白い展開が待っています。
シルエットは何気ないコートにすぎませんが、自分で作るとなると大変だから、せっかく作るなら上等の生地を買ってきて、平凡なデザインやシルエットにしておくと良い。そうすると、デザインが平凡だからこそ、長持ちするうえ色んなドレスにも似合うと。デザイナーが自作品のデザインを「平凡」というこの余裕…。
ここのリード文の論理も、他の号にもみられるように服を作る立場のものです。カッコよく他人に見せたいという意図はルリ・落合にとっても他のデザイナーたちと同じく前提で、そのためにも(自分のためにも)節約しながら大胆におしゃれを楽しむという姿勢が貫かれています。
他のデザイナーのリード文ですと、カッコよく見せたいという意図は文章にまで出てきます。そして着こなしの幻想的なキャッチフレーズが目白押しとなって、衣服自体の説明が不足します。

金色のドレスと赤いドレス

ルリ・落合デザイン「婦人画報」1967年12月号15頁

ルリ・落合デザイン「婦人画報」1967年12月号15頁

リード文

金ラメのジャージーです。キラキラと輝くマテリアルは、そのまま夜のドレスの雰囲気をもっています。プレーンなシャツスタイルにつくって、細い金鎖のネックレースをじゃらじゃらと飾った、着やすいものです。
赤に金ラメのはいったジャージーです。衿ぐり、袖口、スカートに、金色のコードをくり返したプレーンなワンピースです。夜のドレスにふさわしい材質と色をえらんで、デザインはできるだけ単純にしたものです。作り方200ページ

出典「婦人画報」1967年12月号14頁

リード文批評

「金鎖のネックレースをじゃらじゃらと飾った」と、自作品で述べています。派手にしたということを正直に書いています。他のデザイナーのリード文ですと「派手さの中に淑やかさ」というあり得ない中和作用を私たちに強要してくるのですが、ルリの場合は「ド派手に作ったで」と言わんばかり…。
実際の作品として「プレーン」に作ったからこそ、ジャラジャラ金ぴかが活きるとも読めます。文章の中和作用を強要すること無く、メリハリを衣服でちゃんと表現している優れたファッション・デザイナーです。
赤いドレスにも「プレーン」という言葉が出てきます。生地へのこだわりは差し置いて、赤色ドレスの方は時期的にアンドレ・クレージュのドレス類を意識しているように感じます。クレージュのドレスも超シンプル。プレーンといえばバリバリのプレーンですし、パイピングをよく採り入れたデザイナーでした。

まとめ

今回のルリ・落合のリード文が1967年に存在したことに驚嘆します。一方でクレージュのようなシンプルな作品を意識しながら、他方で生地へのこだわりや縫製の工夫がにじみ出ている作品とリード文でした。

1960年代ファッション
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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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