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ラグラン・スリーブ:アオザイやスポーツウェアの袖

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ラグラン・スリーブ(raglan sleeve)とは、襟ぐりから脇下に切替線を設けて袖布を縫いつける方法。または、それによって付けられた袖のことをさします。

スリーブの中で有名なひとつです。

首元から脇下にかけて袖(スリーブ)部分と身頃(胴体部分)が分断されています。

コート、ジャンパー、ワンピース、ジャージー(スポーツウェアの上衣)などに広く用いられ、袖と身頃(胴体)が色違いのTシャツやスウェット上衣を見ると、ラグラン・スリーブというものが一目でわかります。

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ラグラン・スリーブの利点

ラグラン・スリーブの利点には、袖ぐりに余裕ができて着脱が楽になること、肩の部分に縫い目がないため雨がしみ込みにくいことなどがあります。

また、肩の運動量が確保されるため射撃などの戦時行動に有益でした。

なお、かつてラグランと略称でいわれた衣料は、ラグラン・スリーブのオーバー・コートのことです。

ラグラン・スリーブの種類

raglan sleeves」の記事ではラグラン・スリーブの種類をイラストで詳しく説明しています。

ラグラン・スリーブのヴァリエーションには、セミ・ラグラン・スリーブ(semi R.S.)、サドル・ラグラン・スリーブ(sadle R.S.)、スプリット・ラグラン・スリーブ(split R.S.)などがあります。

セミ・ラグラン・スリーブは、セットイン・スリーブとラグラン・スリーブの中間にあたり、首と腕の付け根の間、つまり肩の途中から脇へ切り込みの入った袖のことをさします。

サドル・ラグラン・スリーブとはラグラン・スリーブの肩部分に切り込み線が入り、肩に平行した形になります。鞍(サドル)に似ていることからついた呼称です。

スプリット・ラグラン・スリーブは、前からみるとセットイン・スリーブ、後身からみるとラグラン・スリーブになったもの。男性向けのスプリング・コートなどに使われます。スプリット(分割)の意味から来ており、単にスプリット・スリーブともいいます。

アオザイと旗袍

ベトナムの著名な民族衣装アオザイは、その多くがラグラン・スリーブを採用しています。

アオザイはグエン王朝期に清朝官人の朝服(旗袍)を簡略化したのが始まりですが、ラグラン・スリーブを採り入れたのはフランス植民地時代(1887~1954年)からのことで、布地のパターン制作と裁断方法が西洋風になりました。

旗袍(チャイナドレス)とアオザイの原型は似ていますが、袖部分は旗袍が接袖(セット・インスリーブ)や連袖なのにたいし、アオザイがラグラン・スリーブで、この点が大きく違います。

一見保守的に見えるものの、上半身のラインにとてもセクシーな感じがするのはラグラン・スリーブの影響が大きいですね(旗袍の大襟のラインに似ています)。

袖は袖無から長袖まで応用が効きます。現代旗袍に比べてズボンで露出度が小さく、長袖にした場合でもラグラン・スリーブの角度は袖無を想像させるため、セクシーさが維持されます。

旗袍は肩のラインが水平に近いため肩幅の広い人に似合います。これに対し、アオザイは肩のラインが斜め下へ落ちるため、肩幅の狭い人に似合います。

また、いずれも袖無し(ノースリーブ、スリーブレス)の種類がありますが、旗袍の場合は肩が覆われたままなのに対し、アオザイの場合は脇から襟元までの布が無くなる理由から、紐を首に結ぶか襟のみで留める(アメリカン・スリーブ)かという形が多く採用されてきました。

ちなみにアクセサリーからみると、旗袍にはブローチ、アオザイにはネックレスが似合います。

ラグラン・スリーブの語源

ラグラン・スリーブの語源は、ナポレオン戦争の一つ半島戦争(1808-1814)で右腕を失った英軍のロード・ラグラン(Lord Raglan)将軍が考案したスリーブから。クリミア戦争(1853-1856)時に負傷者を楽にさせる目的で導入されました。

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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