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ニットの包括的な説明:語源、特性、原理、機械など

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ニット(knit)は衣料品の中で位置づけの難しい物・言葉です。

これは、ジャージーやメリヤスとも呼ばれるうえ、一本の糸から布になる場合と衣料品になる場合(「カットソー : cut & sewn」を参照)に分かれるからです。

ここでは、ややこしいニットについて丁寧に説明しています。

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語源

ニット(編む)とは、イギリスのジャージー島(イギリス海峡)で漁夫のブルオーバーのセーター地に作られたのが用語の由来です。

下の写真はジャージー島の牡蠣漁業の様子です。

ニットの語源となったジャージーの牡蠣漁業 Jersey’s oyster fishing industry via File:Cancale16.jpg – theislandwiki

ニットは「編む」という意の英語の動詞のカタカナですので、そこから派生して「編物、またはその製品」の意味ももちます。

1970年代までは広くメリヤス(莫大小)とよばれました。その後、ニットの用語が定着するまで、「ニッティッド」(編まれた)が利用された。スーツに関しては、その名残があります。

従来、ニットはメリヤスとも呼ばれました。これは、スペイン語のメディアス、またはポルトガル語のメイアスから転化したもの(いずれも意味は靴下)です。

言葉としてメリヤスが日本に伝来したのは、延宝、貞享、元禄期といわれます。当初は靴下の意味でした。

以後、メリヤスは、1950年代頃まで、肌着や靴下を中心とした編物を意味する語として利用されてきました。後の編物の急激な発展によって、アウター・ウェアも含めた衣料品の主要生地となるにつれて、次第にニットという用語に代替されるようになりました。

もっとも、現在でも肌着などの生地ではメリヤスという用語が使われています。

兵庫県芦屋市を本社とする稲坂莫大小製造株式会社(1928年創業)のウェブサイトにあるように、日本語漢字でメリヤスは「莫大小」とも書きます。

この理由には、

  • 靴下輸入の始まった江戸時代に、新しい生地のうえ、大きさも分からなかったため、漠然とした大小、という風に考えられた
  • 靴下やセーターに顕著なように、メリヤスには伸縮性があり、サイズ上の融通が効く

という二つの見解があります。

いずれにしても、着やすさが織物よりは比較的に向上するため、最近ではヘルス・ニットとも呼ばれるようになりました。

語義

ニットの広義はジャージー(ジャージ)やメリヤスと同義です。ニットの狭義はアウト・ウェア用編地の総称で、中でも流し編の緯編地と経編地(トリコット)や平編の編地(天竺)を指します。

例外的に、撚り方向の異なる紡毛糸を交織して、軽く縮絨(フェルト仕上げ)し、メリヤス風に似せた毛織物をいう場合もあり、できるだけ伸縮性を強化し、多少の凹凸を与えてしなやかな風合いを出します。

ほぼ同義の編物3種(ニット、メリヤス、ジャージー)を簡単にまとめると以下の通りです。

  • メリヤス(江戸時代~1950年代) – 靴下(ないし肌着)、ストッキング、タイツの意味合いが強い
  • ニット(1950年代以降) – 上記とアウター含め、編物全般
  • ジャージー – 主にアクティブ・観戦双方を含めたスポーツウェア。とくに20世紀後半には編物のカジュアル・ウェア全般。つまりアウター。

一言でいえば、メリヤスはインナー、ジャージーはアウター、両方の総称がニットというイメージです。

たとえば、ヴォーグ誌フランス版では「LA ROBE-CHEMISIER EN JERSEY」と使われたことがあります(太字は私が入れました)。ジャージーを生地にしたのローブ風ブラウス(シャツ・ドレス)です。

ニットは、紀元前のエジプトでは既に知られていましたが、ニットの機械がはじめて製造されたのは1589年の英国のウィリアム・リー William Lee に依ります。これは髭針色の靴下編機でした。

今日、ニット製品のなかにはニット・ウェアをはじめ、ニット・インテリア、ニットの産業資材などが含まれています。

素材(原料糸)

ニットは、従来から紡毛糸で製作されてきましたが、現在では梳毛糸(そもうし)、綿糸、絹糸、化繊糸等も用い、緯編地(よこあみじ)、経編地(たてあみじ)を構成します。

時としては起毛、捺染(なっせん)、刺繍を施すこともあります。

特性

ニットは織地(織物)に比べ伸縮性に富むため、多孔性や成型可能性の面から裁断の難易度が高いです。

ニットの編成方法には、緯編(よこあみ)式と経編(たてあみ)式があり、それぞれに各種の編機があります。

ニットの特性には

  • 伸縮性にすぐれる
  • 皺にならない
  • 着やすく疲れない
  • 含気性があり暖かい
  • クラフト性(工芸的・手芸的感覚)がある
  • カジュアル性

などが挙げられます。

原理

そもそも、編物には、製品の形に編んでいく成形編地と、生地として編んでいく生地編があります。

生地編は、ニット地(ニット・ファブリック)ともよばれ、糸にループを作り、そのループを連結して作ります。織物と同じように一定の幅と、縦に長さをもった反物で、平板状と筒状のものがあります。

ニット・ファブリックには、裁断・縫製後の製品に合わせ、いろんななものがあります。たとえば、経編みのラッセル、ミラニーズ、トリコットの編地、丸編みの肌着用生地、外衣用編地のシングル・ジャージー、ダブル・ジャージーなど。

機械

ニット制作に用いる機械は、丸編機(まるあみき)がほとんどで、経編機(たてあみき)と緯編機(よこあみき)の流し編機能による物もあります。

また、編機の針がシングル・ニードル(1列針)によるものはシングル・ジャージーといい、天竺編が主な品目。

ダブル・ニードル(2列編)によるものはダブル・ジャージーといい、その種類には、リブ編機によるもの(ミラノ・リブ、ダブルピケなど)と、両面編機によるもの(エイトロック、ポンチ・ローマ)、シングル・ピケなど)の2種があります。

制作

ニット(メリヤス) 生地は、ループ(編み輪)のからみ合いで1枚の布状をなしたもので、緯メリヤスと経メリヤスに大別されます。

1本の糸が緯(横)に向いていれば緯メリヤス、経(縦)に向いていれば経メリヤス。

  • 前者は編目を作るために糸が編み針に対して直角方向により供給され、横方向にできた編目を縦方向に連綴して制作されます。
  • 後者は、糸が編み針に対して平行方向より供給されるため、編み針の数と同数かその整数倍の編み糸が用意される必要があります。つまり、織物の場合と同様、網糸が整経された状態で使用されるわけです。

ニット衣料品を制作する方法は下記の外部リンクをご参照ください。編地出し、柄組み、編み、リンキング、糸始末、洗い、縫製、検品、仕上げの各段階について、写真入りで丁寧に説明されています。「1枚のニットができるまで|ニットの生産工程を紹介します |」(ニットラボブログ)。

衣料品

ニットの衣料品は、スーツ、ブレザー、スラックス、スカートなどの外衣類から、下着類、靴下、手袋、帽子、水着などの類に至るまで幅広く存在します。

現在では、ニット は、ジャケット、スーツなどにも使われ始めています。この点については、日本経済新聞社から受けた取材記事をご参照ください(これも「ジャージー」? 体操着がスーツになるまで|ライフコラム|NIKKEI STYLE)。

また、代表的なニットの衣料品は当サイト内の記事「ニットの種類とアイテム:20世紀衣服史はニット化の歴史なので複雑」をご覧ください。

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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