アンサンブル(1965年):アンドレ・クレージュ作
これはアンドレ・クレージュが1965年に発表したジャケットとドレスのアンサンブルです。
素材はウール(羊毛)。
ジャケット
ジャケットの輪郭はHラインです。衿はありません。
アームホール下からプリンセス・ラインが使われています。黄色の縁取り(パイピング)が施されており、表地は白地に黄色のチェック柄。設計はシンプルですが黄色と白色の対照性が強い仕上がりです。
前方(前身頃)にボタン穴は4個ありますが、実際のボタンは少しずれた位置に1個、後方(後身頃)左右に2個が確認できます。装飾用です。
ポケットは左右1個ずつです。袋を作る縫目が見当たらないので装飾用でしょう。
ドレス
ドレスの輪郭はAラインです。
衿はありません。
ジャケット同様、表地が白色のドレスで、黄色のパイピング。縁取りが施されているように見えますが、これは装飾用の縫いつけ(stitch)です。
ポケットは左右1個ずつです。袋を作る縫目が見当たらないので装飾用でしょう。
前後身頃の中心部に縫目があります。また前身頃には脇下辺りから鳩尾付近にかけて斜めの縫目があります。
贈呈主
これらの作品は、1974年にキンバリー・ニットウェア社(Kimberly Knitwear Inc.)からメトロポリタン美術館へ譲渡されました。
同社は1946年にニューヨークで組織された、女性向け高品質ニットウェアの製造業者・卸売業者でした。米国で全国的に営業していました。現在は営業していません。
別の画像資料
アンサンブルのうちドレスは「ライフ」誌1965年5月21日版、49頁に掲載されています(ピエール・ビューロ撮影)。
帽子も含めて黄色と白色の対照性が強いです。靴はゴーゴー・ブーツ。
この写真を2017年に知ってから、このモデルを探しています。
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