ドリー・ツリー:概略
ドリー・ツリー Dolly Tree (本名 Dorothy Tree)は、英国ブリストルに生まれたファッション・デザイナーです。1899年-1962年。ロンドン、パリ、ニューヨーク、ハリウッドで1920年代の舞台衣装デザイナー(劇場デザイナー)、1930年代の映画デザイナーとして国際的に評価されています。
イギリスでの舞台衣装からアメリカでの舞台衣装・映画衣装へ
ドリー・ツリーは1920年代に英国の舞台芸術家として活躍し、ロンドンと周辺地域で、レヴュー、ミュージカル、パントマイム、キャバレーなどの部門で独創的な衣装を提供してきました。彼女はイギリスの映画業界でも衣装をデザインし、ジャン・ペロン Jean Peron の裁縫店と提携しました。彼女の作品はパリでも大流行し、当地のミュージック・ホールであるフォリー・ベルジェール Folies Bergere のために衣装をデザインした最初の英国人となりました。
ドリー・ツリーは1920年代後半にニューヨークで舞台女優メイ・ウェスト Mae West のニューヨークでの舞台 Diamond Lil (1927) で典型的な1890年代ルックを作って有名になりました。そして、彼女はストラップレス・イブニング・ガウンの使用を始めて宣伝したデザイナーだと思われるようになります。他にも、ブロードウェイの様々なミュージカルや
1929年に映画プロデューサーのウィンフィールド・シーハン Winfield Sheehan がドリー・ツリーをフォックス社 Fox での
MGM社のデザイナー
MGM社が有名である所以の衣装のスタイルと魅力を彼女は維持し、マーナ・ロイ Myrna Loy、ジーン・ハーロウ Jean Harlow、ロザリンド・ラッセル Rosalind Russell、ヴァージニア・ブルース Virginia Bruce、ジュディ・ガーランド Judy Garland らのエレガントな作品をデザインしました。それらの仕事では、奇傑パンチョ Viva Villa や David Copperfield and A Tale of Two Cities のような、デヴィッド・セルズニック David Selznick がプロデュースする古典映画用の時代衣装が中心でした。
しかし、ドリー・ツリーの能力にも関わらず、パリのミュージック・ホール「フォリー・ベルジェール」も、ハリウッドのMGM社も自社宣伝に彼女をあまり利用しませんでした。特にMGM社の場合、エイドリアン Adrian (ギルバート・エイドリアン Gilbert Adrian) を強く宣伝しすぎ、彼女は二番煎じに扱われた感は否めません。
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作家ゲイリー・チャップマンによるドリー・ツリーへのインタビューをまとめた本。 Gary Chapman, Dolly Tree: A Dream of Beauty, Edditt Publishing, 2017.
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ドリー・ツリーのイラストを扉にした木枠のノートブック。Dolly Tree: Teddie Garrard – – Foiled Journal (Flame Tree Notebooks), Flame Tree Pub; New版, 2017.
関連リンク
- Jazz Age Club | Jazz Age Club:1920年代・1930年代のジャズ時代における映画、舞台、キャバレー、ファッション、アートを取り上げ、詳しく当時の状況を再現している。
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