スポーツウェア(Sports Wear)は、スポーツ競技やスポーツ観戦用の服装の総称で「運動着」の名を充てたものです。1930年代のアメリカで発生した用語。
意味
最近ではインフォーマルな日常着もふくめ、カジュアルウェアと同義で使用されます。
この場合のスポーツウェアは、カジュアルな単品(ブラウス、シャツ、ベスト、ジャケット、パンツ、スカートなど)をいいます。
それに伴い、本来のスポーツ競技用スポーツウェアは、アクティブ・スポーツウェア(スポーツするときの「運動着」)といわれます。
歴史
第2次世界大戦までのアメリカのモード界では、パリのオート・クチュールがファッション・リーダーとされており、アメリカ独自のファッションが停滞していました。
大戦勃発後にパリからの衣服の輸入が停止し、アメリカ独特のスタイルが必須となって、クレア・マッカーデルが活躍しました。
マッカーデルは、1942年にダイアパー水着(おむつパンツ水着)、ラップ・ドレス、1943年にレオタード、1944年に街着用のバレリーナ・シューズなどを続々と発表。他にも、ホールター・ネック、デニムとデニムのステッチなど斬新なアイディアにあふれた作品を発表しました。
マッカーデルのアイデアの源はアクティブ・スポーツウェア。
以後、セパレートで、身体にフィットする動きやすいマッカーデルのアイデアは、アメリカの既製服の基本原則となりました。
戦後になるとスポーツウェアはさらに普及していきます。1960年代や1970年代に当時の世界的に有名なブランドが挙ってスポーツウェア部門に進出しました。
たとえばアンドレ・クレージュです。19世紀のバッグ・メーカーを出自にもつエルメスも、ファッション雑誌で果敢にスポーツ色を出しました。
モード業界では、1987年の春夏ニューヨーク・コレクションで「クリーン」「ファンクショナル」「スポーティ」をテーマにした作品が次々に発表されました。
ジャンポール・ゴルチエの未来派風のスピード感溢れるスタイル、ジャスパー・コンラン、ティエリー・ミュグレル(ティエリー・ミュグレー : Thierry Mugler)、シャンタル・トマスのアメリカン・スポーツウェアなどです。
これらは、1950年代のアメリカの既製服、すなわち、ジ・アメリカン・スポーツウェア(定冠詞 the に注目)の再来でした。
ホールター・ネック、ミドリフ・トップ、落下傘スカート、バーミューダ、デニムやキャラコやギンガムなどの素材、ジッパー、リベットの空きなどを特徴としています。
1986年にニューヨークのファッション工科大学(FIT)で開催された「スリー・ウィメン」とよばれる展覧会では、マッカーデルの作品をはじめ、マドレーヌ・ヴィオネ、川久保玲の作品が展示されました。
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