肌ざわりのよいもめんの服:婦人画報1973年5月号
この記事では「婦人画報」1973年5月号に掲載された大胆な配色のドレスを紹介しています。
特集は「東洋紡コットン・コレクション」、カメラは沢渡朔、デザインはルリ・落合(落合ルリ)によります。文章は現代文に訳してまとめています。
上質の綿100%で織られたコットン・サッカー。さらりとした風合いでこれからの季節には着心地の良い切れ地です。
赤い縞のドレスは前後とも中央で切替。大胆な縞を斜めに使った若い人向けのワンピース・ドレス。ポケットのタブとベルトは黒のレザー・クロスを使っています。
緑の縞のドレスは幅広のウエスト・ベルト部分だけ縞を横に。
上部もスカート部も緑を強調するように襞を畳み、小さなパフ・スリーブを付けたワンピース・ドレスです。
紺の縞のドレスは緑の縞と対照的に、ウエストの縞を縦に使ったワンピース・ドレス。使用生地はいずれも東洋紡・ブドーファンシー(市田KK・京都)。
白色と黄色。
細い縞を織りだした2色のコットン・サッカーを交互に使い、ティアード(段になった)スカートのミディ・ドレス。
紅色のドレスは一つ前のドレスと同じ生地・同じ手法で色数を増やしたロング・ドレス。
使用生地はいずれも東洋紡・ブドーファンシー(市田KK・京都)。
作品批評
緑の縞のドレスは腰の部分を横縞に置き換えているので、着物の帯のように見えます。
この横縞はかなり上に持ってきているので、4作品ともども黄金比を十二分に反映させて脚長効果。
ハイヒール・シューズの踵の太さが縞柄の太さと合っていて、一体化しています。これはとくに1点目の赤縞ドレス作品にいえます。このモデルにかなり惚れました…。
補足
「婦人画報」今号の特集は木綿です。その一環としてこのページに紹介した落合ルリの作品も取り上げられています。
きもの研究家とされる安田丈一が「木綿物語抄」と題して日本での綿花栽培の広がりを記しれていますが、16世紀の東アジア状勢を無視していてかなり情報不足。「綿花調達:中世における東アジアと欧州の方法」で補いたいところです。
関連リンク
- 岸洋子さんと叔母のこと – bakaフォトラーottiの写真三昧 – Yahoo!ブログ – この作品のデザイナー落合ルリの甥っ子さんの日記です。
- 写真作家・落合マサユキ – 落合ルリの甥っ子さん落合マサユキ氏のfacebookページ。
コメント