ミッソーニ
ミッソーニ Missoni は、イタリアのオッタヴィオ・ミッソーニ(Ottavio Missoni)とロジータ・ミッソーニ(Rosita Missoni)夫妻が1953年に設立したニット・メーカー。
おしどり夫婦といわれる2人はともに1921年生まれ。夫のオッタビオは陸上競技の選手として、1948年のロンドン・オリンピックに出場。このときイタリア選手団のユニフォームをロジータがデザインしました。オリンピックでロジータを知り同年に結婚。
結婚後、ロジータの祖父が創業していたニット工場を引き継ぎ、スポーツウェアを生産。当初、ミッソーニのブランドでは売れず、エマニュエル・カーン、クリスチャーヌ・ベイリーのネーム・テープをつけて販売されました。
やがて、幾何学模様や抽象模様のニットが爆発的な人気を呼び、1966年にミラノでブランド「ミッソーニ」として初のコレクションが開かれます。翌1967年にフィレンツェでシースルーのイヴニングを発表して大きな反響を呼びます。1983年にはスカラ座からの依頼で初めての舞台衣装も手がけました。1973年にニーマン・マーカス賞を受賞。
https://www.missoni.com/
ミッソーニ夫婦の功績
2人の功績はニット・ウェアをステイタス商品にまでレベルアップしたことで、ミッソーニ・ブランドのニットは上流階級のシンボルとなりました。その原因は生産点数が限定されていたことにもよりますが、ロジータがデザインを担当し、オッタビオが製図・編立・縫製・配色を受けもつという緊密な共同作業の結果ともいえます。
作品のインスピレーションは近代絵画や自然の風景。何種類もの色糸で織りなすハーモニーや独特の素材は世界的な評価を得るようになりました。
http://www.missonihome.com/
1997年にオッタヴィオとロジーナが引退し、息子のヴィットリオが経営面を取り仕切り、同じくルカがメンズ部門のデザイナーでテキスタイルのディレクションを行なうようになりました。レディース部門のデザイナーとして、ファミリー・ビジネスを引き継いでいるのが、娘のアンジェラ・ミッソーニです。
アンジェラ・ミッソーニ
アンジェラ・ミッソーニ Angela Missoni は、1958年イタリアのミラノ生まれ。1978年に母ロジータのアシスタントとしてミッソーニに入社。ファースト・ラインのデザインに携わるかたわらで、ミッソーニのライセンス商品のスーパーバイザーを務めました。
1992年に自身のコレクション「アンジェラ・ミッソーニ」を発表。1997年秋冬コレクションまで継続されました。シースルー、ラメやスパンコールなどの素材を積極的にニットへ組み合わせ、ニット・デザインに新しい局面をもたらしています。
1995年にアンジェラはミッソーニの広告責任者に就任し、カメラマンにマリオ・テスティーノ、アート・ディレクターにカリーヌ ・ロワトフェルドを起用しました。カリーヌ は1997年10月と1998年春夏レディス・コレクションからミッソーニ社のクリエイティブ・ディレクターに就任。
レディースを中心にアンジェラにかかるプレッシャーは大きいものでしたが、ニットの世界に革命をもたらした両親の後にやるべきことは伝統を未来へとつなぐことだと彼女は認識しています。
具体的には、レジャー・ウェアに偏りがちだったコレクションをもっと新鮮に都会的なものにすること。大きなネクタイ会社の経営者と大恋愛中(2002年現在)とのアンジェラ・ミッソーニ。ニット革命以後のファミリー・ビジネスをどのように料理するか、今後に期待されます。
関連リンク
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