ハイヒール:ローヒールの対語で踵の高い靴や台のこと

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ハイヒール(high heel)はローヒール(low heel)の対語で踵の高い靴(特に7cm以上)、または踵の台や棒のこと。ヒール・アップ(heel up)ともいいます。
ドレスアップしたときに用いるパンプス、サンダル、ブーツに多く用いられます。踵が10cm程度以上の場合は、とくにピン・ヒールといわれる場合もあります。

メリー・ジェーンのハイヒール。王家衛「恋する惑星」 (c) 1996 by Block 2 Pictures Inc.

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ハイ・ヒールの履き難さ

見た目の背が高くなりスタイルがよく見えます。歩行には向いていません。履きこなすのはかなり難しく、モデルや女優は訓練を積んでいるため映えますが、素人が履くと前屈みになり、恐竜歩きになりやすいです。ハイ・ヒールの歩き方は脚を曲げるのを目立せないのがコツです。

ハイ・ヒールの普及

洋の東西を問わず古代から高い踵の靴は男女ともに上流階級で履かれたことがあったと言われます。資料的に豊富ではっきりと記録されるのは17世紀のフランス辺りです。その後は女性のみがハイ・ヒールを履くようになりました。
衣装の一部にはコルセットやネクタイのように拘束性の強いもの、あるいは運動性の乏しいものが歴史上しばしば使われてきましたが、ハイ・ヒールや纏足靴もその一例で、近代家父長制の観点から女性史やジェンダー論の研究でよく取り上げられます。
中国や日本でハイ・ヒールが履かれるようになったのは、欧州やその植民地のさまざまなダンスが都市部で流行した1910年代から。

蘇麗珍のハイヒール・パンプス(右)とスリッパ(左) Su Lizhen’s high heel pumps (right) and slippers (left). ウォン・カーウァイ『花様年華』(王家衛『花樣年華』/Wong Kar-wai, in the mood for love (c) 2000 by Block 2 Pictures Inc.

ハイ・ヒールの起源あれこれ

なお、ハイ・ヒールがパリで定着した起源に、汚物都市パリでアパートから降ってくる人糞除けにパラソルが、道路の人糞除けにハイ・ヒールが定着したといわれます。
しかし、きっかけを証明することは難しく、実証的な文献が見当たりません。「普及の一要因となった」程度は言えるでしょうが、これを起点であるとは考えにくいです。
古代フランスでのハイ・ヒールの有無や中世の流入などが解明されるべきですが、ヨーロッパの衣服史・服飾史は意外に資料が乏しく説得的な文献やネット情報が見当たりません。

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この記事を書いた人

いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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