シルエット・ライン用語集

ファッション用語集
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シルエット・ライン用語集です。

シルエットもラインも衣装の輪郭のことで、だいたい着用者も含みます。

輪郭の内側を塗りつぶしているとシルエット(Silhouette)、線だけの場合ですとライン(Line)と使い分けることもあります。これらはシェープやフォーム(フォルム)と似た意味です。

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ア行

アーキテクチャー・ライン:architecture line

アーキテクチャーは「建築術、建築学」の意味で、建築的なイメージのラインのこと。長方形や逆三角形、台形などの直線を使い、くっきりと形づくられている。構築的なファッション傾向を代表するデザインの一つ。幾何学的なデザインゆえジオメトリック・ラインとも。

アーチ・ライン:arch line

弓形・半円形ライン。肩から大きな弧を描いて、裾にかけて次第に細くなるシルエット。俗に馬蹄形ラインとも。

アロー・ライン:arrow line

矢のように上から下までまっすぐなラインのこと。エフ・ライン(f line)とも。横から見るとアルファベット小文字のfに近い。フランス語でリーニュ・フレーシュ(ligne flechedo)

アワーグラス・ライン:hourglass line

アワーグラス(砂時計)のように上下が出ているライン。衣装では胸と腰を張り出し、ウエストを絞った曲線。フランス語の砂時計の意味「サブリエ」からサブリエ・ライン(sablier line)とも。

アンプル・アンド・ナロー・フイン:ample & narrow line

上半身をたっぷり(アンプル)、下半身をほっそり(ナロー)にとった凹凸のライン。フィット・アンド・ボリューム・ラインとは逆。上下対称的なシルエット構成。ボリューム感のあるトップにスパッツの組み合わせが代表的。1990年代の人気ラインの一つ。

アンプル・ライン:ample line

全体的に広い(アンプル)ゆったりしたシルエット。ルーズ・フィットの新表現。1970年代から使われる。

アンブレラ・シルエット:umbrella silhouette

アンブレラ(傘)形のシルエット。ゆったりした裾広がりのトップに、ほっそりしたボトムの組み合わせ。アンブレラ・トップとよばれる上衣と、細いペンシル・スカートの組み合わせなど。

インバーテッド・トライアングラー・ライン:inverted triangular line

トライアングル・ラインのこと。

ウェッジ・ライン:wedge line

ウェッジ(楔)状のライン。Vラインと同じ。

ウース・ライン:housse line

フランス語のウース(家具カバーの大きな布)をもじったライン。1970年代中期に出現し、カッティング工程やソーイング工程を合理化し、着心地の良さを兼ねたラインとして流行。今では使われない言葉。Tラインをさすという辞書もあるが手を広げれば全てのシルエットはTになる。

エス・ライン:S line

ジャック・ファットが1954年に発表したシルエット。背中にゆとりを入れて、スカートは身体に沿う。横から見ると、S字形に似ている。→プロフィール・ライン

エッグシェル・シルエット:eggshell silhouette

エッグシェル(卵の殻)のように、丸く膨らみをもつシルエット。エッグ・ライン、オーバル・ライン(oval line)とも。

エックス・ライン:X line

広い肩幅、絞ったウエスト、裾の広がったボトムで構成されるシルエット。アルファベットのX字形。

エイチ・ライン:H line

アルファベットのHの字に似たシルエット。肩幅が狭く、全体に細いストレートなライン。要するに筒型。Hの字の横線は、ベルトや切り替えにあたることもある。バストもヒップもフラットで、ウエストはルーズ。1960年代に世界的に大流行して基本的なラインとなった。辞書によっては1954年にクリスチャン・ディオールが発表した代表的なシルエットと述べるが、貫頭衣の段階から服の多くはエイチ・ライン。

エー・ライン:A line

アルファベットのA字形のシルエット。上が小さく、裾広がり。テント・ライン、ピラミッド・ライン、トライアングル・ラインなどとも。流行をくり返しているシルエットで、基本ラインの一つ。

エンパイア・ライン:empire line

エンパイア・スタイルに見られるラインのことで、少し高めにとったハイウエストの直線シルエット。古代ギリシャの衣装にモチーフを求めたといわれる。

オー・ライン:O line

アルファベットのO字形のライン。全体的に丸い長めのシルエット。婦人コートによく見られる。バルーン・ライン、ボール・ライン、バブル・ライン、コクーン・ラインなどと類似。

カ行

カイト・ライン(kite line)

カイト(西洋凧)のように菱形に広がったシルエット。デザインにはドルマン・スリーブやバットウィング・スリーブが用いられます。丈は短めが多いです。ボロ、セーター、ブラウスなどのラインとして1979年頃にバリ・コレクションで注目されました。

カービー・シルエット:curvy silhouette

曲線イメージを強調したシルエットです。ノフトな感覚が特徴。カーブ・ライン(curve line)と同義。

ギブソン・ガール・シルエット:Gibson girl silhouette

1890から1909年にかけて流行したSカーブのシルエット。アメリカの画家チャールズ・ダナ・ギブソンが描く肖像画に、このようなシルエットの婦人がよく取り上げられたのが語源。別に「蜂の腰スタイル」ともよばれます。コルセットを用いて胸と腰を張り、横から見るとアルファベットのSの字のように見えるのが特徴。ギブソン・ガール・スタイル(ギブソンガール)、プロフィール・シルエット、エス・ラインと同義。

クリノリン・シルエット:crinoline silhouette

クリノリンとはスカートを大きく丸く膨らませる下着枠のこと。19世紀半ばに流行したアンダー・スカート。クリノリンを入れて下半身を極端に丸く大きく膨らませたシルエットをクリノリン・スカートといいます。18世紀の婦人衣装になぞらえて新ロココ・スタイルとも。

コクーン・ライン:cocoon line

コクーン(蚕などの繭)のように、身体全体を丸く包み込むシルエット。

コラム・シルエット:column silhouette

コラム(円柱)のように細長くまっすぐなライン。細いエイチ・ライン。シリンダー・ラインと同義。

サ行

サック・ライン:sack line

サック(袋)のように全体が寸胴形のシルエット。ウエストを完全に解放して、着やすさを狙います。1958年春夏のバリ・コレクションで注目されました。

サプレッション・シルエット:suppression silhouette

抑制の効いたシルエット。ビッグ・ラインの不要な部分をけずり取っています。広い肩幅はそのままでウエストを絞って抑制をあたえます。

シェイプド・ライン:shaped line

身体の線に沿わせて、できるだけフィットさせた(シェイプさせた=形成させた)シルエット。最初は1960年代中期のピエール・カルダンのメンズ・スーツが注目。1980年代以降はボディ・コンシャス型が多く、身体にぴったりと沿わたラインをこのように総称するようになった。

シェイプリー・ライン:shapely line

シェイプリーな(かっこうのよい、釣り合いのとれた)ラインのことで、ほっそりと長く見えるのが特徴。ビッグ・ルックからスリム・ルックの中間的なもので、修正型のビッグ・ラインのこと。

ジオメトリック・ライン:geometric line

ジオメトリック(幾何学的)なライン。アーキテクチャー・ラインのこと。

シース・ライン:sheath line

シース(剣などの鞘)のように、ほっそり長く、身体の線に沿ったシルエット。ウエストは極端に締めつけず、裾もあまり広がらない。

シフト・シレエット:shift silhouette

シフト(英語シュミーズの古語)やアメリカ開拓時代に着られた緩い麻製下着のように、肩からまっすぐに垂れた緩やかなシルエット。

シリンダー・ライン:cylinder line

円筒状の単純な外形のシルエット。チューブラー・シルエット、シリンディカル・シルエット、コラム・シルエットとも。

スウィーピング・ライン:sweeping line

スウィーピング(掃除する)のように丈長で、揺れ動くようなシルエット。実際に床につくようなマキシ丈だけではなく、そうしたイメージのあるコートなどのシルエットも指す。

スティック・ライン:stick line

スティック(棒)のようにほっそりした長めのライン。ロングアンド・ナロー・ラインやストロー・ラインと同義。

ストレート・ハンギング・シルエット:straight hanging silhouette

真っ直ぐに垂れ下がったシルエット。特にアメリカン・トラディショナル・モデルなど、アメリカの伝統的スーツに見られる特有のシルエット。こうしたスーツの上着には前ダーツはなく、肩で吊って真っ直ぐボックス・ラインとなる。

ストレート・ライン:straight line

直線的なシルエットの総称、胸の張りや腰のくびれなどを強調した曲線的なラインとは対照。ボックス・ラインやエイチ・ライン、レクタンギュラー・ライン(長方形ライン)などを含む。

ストロー・ライン:straw line

ストロー(麦わら)のようなライン。ロング・アンド・ナロー・ライン、スティック・ラインと同義。

スピンドル・ライン:spindle line

スピンドル(紡錘)に似て腰部が膨らみ、トップやボトムがすぼまったライン。

スリム・エー・ライン:slim A line

全体にほっそりとしたエー・ライン。1970年代調のジャケット、パンツ、ロング・ワンピースなどに多用され、1990年代から主要なラインの一つとなった。

スリム・ライン:slim line

ほっそりと身体の線に沿ったシルエット。スレンダー・ライン(slender line)やペンシル・シルエットとも。

セミリラックスフィット:semi-relax fit

ほどよく快適なフィットのあるライン。特に、最近のアメリカに見られるーンズの新しいシルエットをさす。従来のストレートとペルボトムの中間。

ソフト・コンシャス・ライン:soft conscious line

ソフト・ボディ・コンシャス・ラインの略。ボディ・コンシャス・ラインほどは身体の線を強調せず、ギャザーやフレアなどを使って、柔らかくボディ・ラインを出している。

ソフト・シェイプリー・ライン:soft shapely line

シェイプリー・ラインをさらにソフトに表現したライン全体にすっきりとしたライン。

タ行

タイト・アンド・フレアー・ライン:tight & flare line

上半身はきっちりフィットし、下半身で柔らかく広がるシルエット。フィット・アンドフレアー・ラインの新しい表現。フィット・アンド・スイング・ラインとも。

ダーンドル・シルエット:dirndl silhouette

ダーンドル(アルプス・チロル地方)で昔から着用されている少女服をヒントにこう名づけられた。上半身にぴったりとフィットし、腰で絞ってその下からたくさんのギャザーで膨らみを出したシルエット。

チュニック・ライン:tunic line

チュニックのように筒形七分丈ほどの上着にみられるラインで、腰下丈から膝丈くちいまでの長い上着を着たときに現われる。

チューブラー・シルエット:tubular silhouette

チューブラー(管状形)のシルエット。チューブのように細長い。コラム・シルエット、シリンダー・ラインなどとも。

チューリップ・ライン:tulip line

なだらかな肩線、ふっくらした胸元、ウエストを絞ったラインがチューリップに似ていることから命名。スカートは茎のように細くなる。

ティアード・シルエット:tiered silhouette

ラッフルや帯状の布がティアーされた(段々に重なった)ドレスやスカートのシルエット。

ティー・ライン:T line

Tシャツのように、両腕を水平に上げると身頃と袖が直角になるライン。アルファベットのT字形にみえるシルエット。ティー・シェイプド・ライン(T shaped line)とも。

テーパード・シルエット:tapered silhouette

裾に近づくにつれ徐々にテーパーになる(先細になる)シルエット。

テント・ライン:tent line

テントのように裾に広がっていくシルエット。肩あたりを小さくフィットさせ、フレアーを大きく出し、胸から裾にかけて角状に広がるのが特徴。トラペーズ・ラインをさらに広げたような形をよぶことが多い。ピラミッド・ラインとも。

トライアングル・ライン:triangle line

三角形のライン。トライアングラー・ラインやエー・ラインと類似。トライアングルなので逆三角形のテーパード・シルエットも含むが、この場合はインバーテッド・トライアングラーとか、リバース・トライアングラー(reverse triangular)などと詳しく表現することが多い。

トラペーズ・ライン:trapeze line

フランス語トラペーズ(台形)のように裾に広がりをもつシルエット。英語でトラベジアム・ライン(trapezium linel)やトラペゾイド・ライン(trapezoid line)。1958年にイヴ・サンローランが発表した作品が有名。

トランペット・ライン:trumpet line

全体に細身で、スカートの膝から裾にかけてトランペット状に開いたシルエット。

トルソー・ライン:torso line

バストからウエストやヒップに至るまでトルソー(人体の胴部)に自然に沿ったスリムなシルエット。ロング・トルソー・ラインはローウエストで細めのシルエット。

ドレープド・シルエット:draped silhouette

袖、身頃、スカートなどに、ドレープした(衣類や掛け布などを優美にまとわせた)シルエット。優美なイブニング・ドレスなどに多い。

ナ行

ナチュラル・シルエット:natural silhouette

自然なシルエット。ボディ・ラインを極端に誇張せず、ハイウエストやローウエストのようにはウエストラインを変えない。

ナロー・ライン:narrow line

全体にナローな(幅の狭い・細い)シルエット。1930年代調ドレス・ファッションを念頭に、そのリバイバルが繰り返し出てきた。ナロー・スリム・ラインやスリム・ラインとも。

ハ行

パイプステム・シルエット:pipestem silhouette

バイブステム(煙草パイプの柄)のように上から下まで同じ太さの真っ直ぐなライン。パンツのシルエットによく言う。とくにアイビー・リーグ・モデルのパンツの代名詞とされる。パイブド・ステムやストーブ・パイプ(ストーブの煙突)とも。

バスク・シルエット:basque silhouette

バスク(スペインとフランスの国境に住むバスク人の民族衣装)のライン。ぺプラム付きジャケット、腰から下にフレアーの入ったスカート。

バッスル・ライン:bustle line

バッスル(スカートの後ろ部分を膨らませるために用いる腰あてや枠)を入れて、後ろ腰を大きく膨らませたシルエット。17世紀から19世紀末にかけてくり返し見られ、とくに1870年から1890年まで流行。

バブル・ライン:bubble line

バブル(泡、しゃぼん玉)のような丸みを帯びたシルエット。バルーン・ライン、エッグ・ライン、ブッファン・シルエット*、ボール・ラインとも。

バルーン・ライン:balloon line

バルーン(風船、気球)のように全体が丸く大きく膨らんだシルエット。1976年にクロード・モンタナが発表して以来、流行のラインにくり返し登場。

バレル・シルエット:barrel silhouette

バレル(樽)のように中ほどで膨らんで上下ですぼまるシルエット。パンツやスカートによく用いる。ペッグトップ・シルエットとも。

ビッグ・シルエット:big silhouette

全体的に大きさを感じさせるシルエットのこと。1974年頃からビッグ・ルックが流行り注目された。オフ・ボディ(身体から離れた)感覚の着やすさ志向がモチーフ。ビッグ・ラインやビッグ・アンド・ルーズ・ラインとも。

ピラミッド・ライン:pyramid line

ピラミッドのように裾に広がったライン。肩幅がせまく、裾に向かってフレアーが広がる。テント・ラインとも。

ファージンゲール・シルエット:farthingale silhouette

ファージンゲール(16世紀~17世紀初頭に見られたスカートを広げるための腰枠=フープ)を用いたときに出るシルエット。腰を極端にふくらませたシルエット。ファージンゲールをフランス語でベルチュガード、またはベルチュガダン。

フィット・アンド・フレアー・ライン:fit & flare line

上半身をフィットさせ、下半身のボトムにゆったりフレアーを入れ、裾広がりになったシルエット。フィット・アンド・スイング・ラインやタイト・アンド・フレアー・ラインとも。

フィット・アンド・ブロウ・シルエット:fit & blow silhouette

上半身はフィット、下半身で丸く膨らんだシルエット。ブロウした(吹く、吹いて膨らませる)ライン。トップはタイト気味にぴったりさせ、ボトムにバルーン・スカートやバルーン・パンツなど丸く膨らむシルエットのアイテムを合わせる。

フィット・アンド・ボリューム・ライン:fit & volume line

上半身はぴったりと身体にフィットし、下半身でふんわりと広がるシルエット。フィット・アンド・フレアー・ラインよりも下半身にボリューム感をもたせる。カットソーのビスチェにシフオンのスカートなど、素材の組み合わせが生む意外性に特徴。

ブイ・ライン:V line

アルファベットのV字形を思わせるシルエット。肩幅が広くとられ、裾にいくほど細くなる逆三角形のシルエット。楔に似ていることからウェッジ・ラインとも。

ブッファン・シルエット:bouffant silhouette

フランス語のブッファン(ふっくらとした・ふくれた)、丸みのあるシルエット。バルーン・シルエットとも。

ブラウスド・シルエット:bloused silhouette

ブラウスの裾をボトムの中に入れてブラウジングさせたようにみえるシルエット。ウエストや背中のあたりをゆったりと膨らませたシルエット。ブルゾン・ラインと類語。

プリンセス・ライン:princess line

上半身をフィットさせ、ウエストを絞り、腰から裾にかけて広がりをもたせたシルエット。このうち、ドレスやコートでウエストの切り替えをせず、縦の切り替え線だけを入れたものを特にいう。19世紀後期の英国王エドワード7世の皇后アレクサンドラが、プリンセス時代に好んで着用したのが語源。

フルーエント・ライン:fluent line

なだらかな、流れるようなシルエットのこと。丸みのある肩から緩やかな線を描いて、裾にむかっていくシルエットで、軽くしなやかなドレスなどにみられる。フルーディ・ライン(fluidy line)とも。

ブルゾン・ライン:blouson line

ブルゾン(ブルーゾン)のライン。ブルゾンとはウエストやヒップの部分をベルトや紐などで締め、たっぷりと膨らんだ形を出した衣服。またシャツやセーターなどの裾をたくし上げて、たるみを出すこともさす。したがって、ブルゾン・ラインは風で膨らんだようなシルエットとなる。ブラウスド・シルエットと類語。

フル・ライン:full line

全体的にフルな(十分な、豊かな、たっぷりとした)ゆったりしたシルエット。

フレアード・ライン:flared line

フレアーが入り、裾に向かって広がっていくシルエット。全体にトラペーズ・ラインのように、緩やかな裾広がりのシルエット。フレアー・スカートなどのように、一般的にスカート、パンツ、上着の裾のシルエットによく使われる。

プロフィール・シルエット:profile silhouette

プロフィール(横顔、側面)から見たときに特徴の出るシルエット。バッスル・ライン、ギブソン・ガール・シルエット、Sラインなどが代表的。

ベーシック・シルエット:basic silhouette

ワンピースドレスのベーシック(原型、基本)に近いシルエット。前開きや打ち合わせのない単純なシルエット。ジャケットやスーツなど、すべてのアイテムの基本型をさす場合もある。

ペッグトップ・シルエット:peg-top silhouette

腰まわりをかなりペッグトップ(西洋梨形の独楽)状にゆったりさせ裾へむかうにつれて極端に細くなるシルエット。パンツに多い。

ぺプラム・シルエット:peplum silhouette

ぺプラムを特徴にした上衣のシルエット。ペプラムとは、婦人用のジャケットやブラウスなどにある、細く絞ったウエストから下の部分に出現するフレアーやひだ飾りなどの部分のこと。バスク・シルエットと同義。

ベル・シルエット:bell silhouette

ベル(鐘)のようなシルエット。ウエストが細く、腰よわりにかけて膨らみ、裾にかけて広がり裾の端が軽くそり返ったシルエット。ベル・スカートのように、スカートのシルエットに用いられることが多い。ベルシェイプド・ライン(bell-shaped line)とも。

ペンシル・シルエット:pencil silhouette

細長くて真っ直ぐなシルエット。ほとんど緩みがなく、身体の線に沿って、ペンシル(鉛筆)のようにみえる。スリム・ライン、スレンダー・ラインと同義。

ボックス・ライン:box line

箱形シルエット。ボクシー・ライン(boxy line)とも。ストレート・ラインの一種で、全体的に角ばり、ウエストのくびれがなく、寸胴形のシルエット。

ホッブル・シルエット:hobble silhouette

膝から裾にかけてかなり狭くなるホップル・スカートのシルエット。ホップルとは「よちよち歩き」のことで、狭い裾幅のものをさす。1910年にポール・ポアレが打ち出して話題になった。

ボディ・コンシャス・ライン:body conscious line

ボディ・コンシャスな(身体を意識させた)ライン。身体にぴったりとフィットし、ボディ・ラインをはっきりと表したシルエット。ボディ・フィギュア・ラインと同義。

ボディ・コントゥール・ライン:body contour line

身体の曲線をなぞるようにぴったりとコントゥールした(輪郭を描く)したシルエット。ボディ・コンシャス・ラインほどは極端に強調しない。

ボディ・フィギュア・ライン:body figure line

身体の形をあらわしたシルエットの意。ボディ・コンシャス・ライン、単にフィギュア・ライン(figure line)とも。ホディ・コンシャス・ラインと少々意味が異なる点は、しなやかにフィットして、柔らかく流れるようなラインという点。

ボディ・ライン:body line

体形にぴったりとフィットした細身のシルエットをさす場合と、身体のシルエットそのものをさす場合がある。

ボディ・ルーセント・シルエット:body lucent silhouette

身体の線をさりげなく感じさせる、ボディ・ルーセント(半透明な身体)なほっそりとしたシルエット。身体にぴったりと沿ったボディ・コンシャス・ラインより少し柔らかく表現している。

ボール・ライン:ball line

ボール(球)形のライン。

マ行

マグネット・ライン:magnet line

磁石(マグネット)のように、肩、腰、帽子などに丸いカーブをもち、裾にむかって緩く広がる曲線のライン。全体にほっそりしている。

マーメード・ライン:mermaid line

マーメード(人魚)のように、膝あたりまで身体にフィットし、裾で尾ひれのように広がったライン。裾の広がりはフレア、ギャザー、タックなどを使うことが多い。リーニュ・ポワソンと同義。

メロン・シルエット:melon silhouette

果物のメロンのようなシルエット。ヒップ・ラインのところで、メロンのように丸く膨らみ、裾にむかって細くすぼまるシエット。

モナスティック・シルエット:monastic silhouette

モナスティックな(修道院の、修道僧の)服のように肩から緩やかに乗れ下がったガウン状のシルエット。帯や紐でゆるやかに締めることが多い。

ラ行

リキッド・エー・ライン:liquid A line

リキッド(液体)のように流れるようにソフトで軽やかなエー・ライン。1993年頃から目立ってきたロング・アンド・ナロー・ラインの一種。

リーニュ・ポワソン:ligne poisson

魚(ポワソン)のラインを意味するフランス語。魚の形に似せたシルエットで、英語のマーメード・ラインと同じ。ウエストをフィットし、ヒップを強く張ったボディ・コンシャス型のシルエットで、膝下あたりからギャザーやフレアーやタックなどを使って尾ひれのように広がる。

ルダンゴト・シルエット:redingote silhouette

乗馬用コートのルダンゴに見られるシルエット。ウエストがくびれ、そこにフレアーが入り、裾にむかって広がるライン。プリンセス・ラインに近いが、本来は男子用コートに使われたシルエットなので、ふつうウエストの絞りはプリンセス・ラインほど細くない。英語でレディンゴト・シルエット(redingote silhouette)。

レクタンギュラー・ライン:rectangular line

レクタンギュラー(長方形)のシルエット。

レングシー・ライン:lengthy line

全体にレングシーに(長く)みえるシルエット。近年のヨーロッパ調のメンズ・スーツなどにみられ、細めの肩幅からすんなりと長くのびた上着や、ストレート・ラインのパンツによって構成される。1980年代に流行したワイド・ショルダー一辺倒を打開しようと登場。逆にレングシー一辺倒になったが。

ロング・アンド・チューブ・ライン:long & tube line

身体全体にまとわりつくような長めの筒状シルエット。1991年頃から注目され、ほっそりしたロング・ドレスやフル・レングスのスカートなどに用いられる。スリム・ラインと同義。

ロング・アンド・ナロー・ライン:long & narrow line

ほっそりとした長いシルエット。ロング・アンド・チューブ・ラインよりも細いのを指すことが多い。1990年代前半のファッションの1方向。ストロー・ラインやスティック・ラインとも。

ロング・トルソー・ライン:long torso line

イタリア語のトルソー(人体の胴部)から、目立つ胴長シルエットのこと。身頃が身体に沿って、ヒップ丈やフィンガー・チップ・レングスまで続くローウストのシルエット。緩みをもっている。

ワ行

ワイ・ライン:Y line

アルファベットのY字形のシルエット。広めにとった肩からのラインがウエストで急に絞られ、そのまま細くてストレート・ラインのパンツやスカートに続く。

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この記事を書いた人

いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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