イーディス・ヘッド(Edith Head)は、アメリカのカリフォルニア生まれのファッション・デザイナーで、主に映画衣装を制作しました。
カリフォルニア大学の文学士、スタンフォード大学の文学修士の学位を持っています。服飾史に造詣が深いデザイナーです。エディス・ヘッドと記されることもあります。
ハリウッド映画界のトップ・デザイナーへ
イーディス・ヘッドは、大学院終了後にデザインに興味をもち、美術学校「Otis Art Institute」と「Chouinard School of Art」に通いました。その後、パラマウント撮影所(パラマウント映画)にスケッチ・デザイナーとして入社し、多数の映画作品の衣装を制作しました。
たとえば、「ローマの休日」「十戒」「泥棒成金」「サムソンとデリラ」などです。映画衣装を制作するにあたって、イーディス・ヘッドは台本を読み、物語の印象に忠実なデザインを心掛けました。監督や女優からの意見も取り入れたといわれます。
イーディス・ヘッドはパラマウント入社後の30年間で約6,000点もの衣装を設計しましたが、彼女自身が最も気に入った作品は「泥棒成金」(グレース・ケリー、ケーリー・グラント出演) でした。
映画衣装のデザインと多彩な活動
ハワード・グリア (パラマウント映画の主任デザイナー, Howard Greer ) がスケッチ画家を公募した時、イーディス・ヘッドは面接に臨み、Chouinard School of Art の同組学生たち全員によるスケッチ選集を持って行きました。ハワード・グリアは見事に感銘し、彼女を現場に雇いました。
後に、イーディス・ヘッドが描けないと打ち明けた時、彼はスケッチ画家として彼女を訓練しました。トラヴィス・バントンがハワード・グリアの後継となった時、イーディス・ヘッドは彼とともに仕事しました。彼がパラマウント映画を去る1938年まで一緒でした。
彼が去ってから、イーディス・ヘッドは1967年までパラマウント映画の主任デザイナーを務めました。
その後、イーディス・ヘッドはユニヴァーサル社に移籍しましたが、同時に、MGM社、ワーナーズ社、コロンビア社、フォックス社の映画用衣装も設計しました。イーディス・ヘッドは並はずれて長い経歴を映画界に持ち、多くの共同作業にも参加しました。
たとえば、アメリカ中の同好会でドレスについて大々的な講演を行ないました。また雑誌「ホリディ」のファッション編集や、多くのラジオやテレビに出演し、2冊の本も執筆しています。「The Dress Doctor」と「How to Dress for Success」です。イーディス・ヘッド自身、映画「Lucy Gallant」と「The Oscar」に出演しています。1981年永眠。
Edith Head, The Dress Doctor: Prescriptions for Style, From A to Z, Harper Design, 2008.
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Edith Head, How to Dress for Success, contribution by Joe Hyams, Harry N. Abrams, Reprint, 2011.
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