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ココ・シャネル その寂しさ:クロード・ドレ

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本書は作家・精神分析家のクロード・ドレが書いたガブリエル・シャネルの伝記です。シャネルの最後の10年間を著者は交流しました。精神分析家の著者らしくシャネルとの交流を通じて彼女の内面に入っていきます。
著者は戦後のシャネルに詳しいはずですが、戦前期のシャネルが交流した文化人たちについて多く書いています。類書の中で特徴づけるとすれば≪シャネルを通じた戦前文化史≫といったところでしょうか。マラルメにアポリネールにコクトーにダリに、芸術家たちがあちこちに散見されます。
原書名は「Chanel Solitaire」(1983年)で邦題には「Solitaire」が欠けているのでこの記事では「ココ・シャネル―その寂しさ―」とします。既に著者は1971年に「孤独のシャネル」という伝記を書いています。それを1.5倍に増量させ、全面的に書きなおしたのが本書です。

本書の特徴

シャネルと交流のあった他の証言者たちからも貴重なエピソードを得て、シャネルの交友関係やシャネルの動作や仕草、そして発言などに注目している点が本書の特徴です。冒頭で述べられているシャネルと著者の出会いは鮮明です。

わたしはカンボンどおりで晩年のココ・シャネルに出会った。(中略)わたしは小脇に数冊の本をかかえて、シャネルのブティックでスカーフを選んでいた。そこへシャネルが入ってきた。「本を読む時間があるなんて、お幸せね」と彼女はわたしに言った(同書8頁)

この出会いからシャネルの伝記を起こすのですが、忙殺されたシャネルの孤独や寂しさを著者はしばしば汲み取っていきます。本書が戦前の文化交流に焦点を当てて行くのは、晩年のシャネルがブランド・ビジネスによって疲弊していたことから距離を置いて、元気だったシャネルを描きたかったからだろうと思いました。先に述べたように戦前期の知識人・芸術家たちとの交流には大きく紙面が割かれています。

目次

読者に、序、少女時代,あるいは一切の剥奪、最初の男性、あるいは避難所―エチエンヌ・バルサン、ボーイ,あるいは恋、両面の鏡、あるいは二人の友、権力の掌握、女房学校、消された過去、よみがえる過去、労働、日常のこと、挑戦、孤独、謎。謝辞、訳者あとがき、参考文献。
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クロード・ドレ「ココ・シャネル その寂しさ」上田美樹訳 サンリオ 1989

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いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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