フィリップ・ヴネ:トップ・ブランドを渡り歩く
フィリップ・ヴネ Philippe Venet は1929年にフランスのリヨン生まれたファッション・デザイナーです。フリップ・ベネットの表記は英語発音から採られたもので誤り。フィリップ・ヴネの表記が無難です。
経歴
バレンシアガへの憧れ
14歳の時、リヨンの服飾店ピエール・クール(La Maison pierre court)のブルジョワ・アリストクラティックに勤務。このメゾンは上流階級の婦人たちがパリのモデルのコピーを買う場所でした。ここでヴネは1年に2回、クリストヴァル・バレンシアガのモデルを選ぶためにパリに行ったそうです。その過程でバレンシアガに影響を受けました。
ジバンシーへ
4年後の18歳の頃、バレンシアガに就職したくてパリに出ましたが断られます。しばらくしてエルザ・スキャパレリの店に勤務し、その在職期間中(1951~53年)にユベール・ド・ジバンシーを知ります。ジバンシーから要請を受けて同店の主任テーラーになりました。9年間ジバンシーの下で働きました。
独立
自身の店での最初のコレクションは1961年(1962年説も)。1970年に紳士服のコレクションも開きました。創業当初は20名程の従業員規模でしたが、1970年頃には60人規模に拡大しました。
作風
正確なカッティングと入念な仕立てで、着やすく優雅なオーソドックス・スタイルを作りあげる技術の確かさに定評があります。中でも、メルトン、ラシャ、ウール、ビロードなどの生地を上手にカッティングし、コートやスーツが高く評価されました。1965年、リオのカーニバルのための衣装デザインに従事しました。
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