お色直しのドレス:婦人画報1968年10月号
この2点のお色直しのドレスは「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、28頁・29頁に掲載されたものです。
カメラは大倉舜二、協力は伊勢丹。ドレスが鮮やかでモデルの表情も良いので取りあげました。
特集リード文
お色直しのドレスは、披露宴の形式によってきめられるものです。午後6時以後の正式な晩餐会でしたら、イブニング・ドレスを着ることになっていますが、ロングイブニング・ドレスでなくても、ショートイブニング・ドレスでもよいわけです。くだけたパーティー形式の披露宴でしたら、カクテル・ドレスで充分です。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、28頁
特集リード文批評
パーティーにほとんど参加したことのない私にとっては、つい、披露宴の形式とかどうでもええやろと思ってしまうのが難点。今でもドレス・コードという言葉があるように、TPOとドレスは密接な関係をもっています。
イブニングドレスはロングでもミニでも良いという訳で次のような2つの作品が紹介されています。
ピンクのイブニング・ドレス
リード文
横うねのサテンのドレス(65,000円)。光沢の美しい張りのある布地なので、シルエットをいかし、大きなボウを飾っただけです。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、28頁
リード文批評
「横うね」は横畝。正確には横畝織のことで、平織を横に拡大して縦方向へ畝を表した布です。ふつう、緯密度を大きくして織物の表裏とも緯糸で覆うように織ったもの。ボウのワンポイントってリード文でちょくちょく見かけます。1960年代に流行っていたんですね。
ブルーのカクテル・ドレス
リード文
合繊ですが光沢の美しいドレス(9,900円)。前を単純にして、背中を深くくり、ボウを飾って、華やかな雰囲気を出したものです。夜のドレスは粋な感じになりがちなものですが、花嫁が披露宴に着る服ですから布地、色、デザインは、華やかさと優雅な雰囲気に重点をおいてえらびましょう。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1968年10月号、29頁
リード文批評
背中にボウがあるので見えず残念。ミニスカートが可愛いのですが、1点目のピンクのドレスよりも質感が落ちているように見えるのは合繊ゆえでしょうか…。といっての1点目のドレスが合繊ではないとは書かれていないので判断しきれません。
最近でも「花嫁」という言葉は使われているのか調べてみると、花嫁の検索ヒット件数は約100,000,000件に対し、新婦は20,000,000件で、花嫁の方がネットには多いことが分かりました。新婦はキリスト教でいう花嫁という説明もあり、うーん、家の女になるという「嫁」言葉はどうも差別的に思えて仕方ありません…。
昔の男性知人が「嫁」は差別用語だと言っていて私は問題関心をもちましたが、その彼が妻に浮気された途端に「あの嫁」と言いだすようになっていたのが面白おかしいです。嫁という漢字をみると、いつもこのエピソードを思い出します。
嫁と妻の違いを意識して、私の妻も次のような記事を書いています。
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