リュシアン・ルロン(Lucien Lelong)は、1889年にフランスのパリに生まれたファッション・デザイナー。
第1次世界大戦に従軍したあと、1919年に両親が経営するクチュール店を継ぐ。
洗練された趣味と着ごこちのよさで、1920年~1940年代にわたりフランスのオート・クチュール界をリード。
経歴
1923年、パリ・クチュール組合(サンジカ)に参加。
1926年、パリのマティニオン街に広大なメゾンを組織。下着やストッキングのデザインも手がけ、1934年に既製服部門「エディシオン」を設立した。そこでは、クチュール部門で創作した作品を土台に、仮縫いの回数を減らして値段を下げて販売した。これは現在のプレタ・ポルテの先駆け。
第2次世界大戦中、ドイツ占領下でパリのクチュール組織をベルリンとウィーンに全て移すという占領軍案に抵抗し、パリ・クチュール組合(サンジカ)会長として阻止したことは有名(任期期間は1937年~1945年)。
戦後、店を再開したが、1941年入店のクリスチャン・ディオールをはじめ、それまで弟子として働いていたユベール・ド・ジバンシー、ピエール・バルマンらが相次いで独立、健康も害したため、1948年に閉店。10年後に死んだ。
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