友禅模様のアンサンブル:森英恵デザイン
このページに紹介するのは森英恵(ハナヱ・モリ)のデザインによる友禅模様のアンサンブルです。
「婦人画報」1972年9月号の36頁・37頁に紹介されました。カメラは大倉舜二、ヘアスタイルは宮崎定夫。文章は現代文に訳してまとめています。
友禅模様をいっそう気軽に、普段着にするために、木綿のジャージー地にプリントしたものです。パンツと組み合わせた今風の上着やシャツにエレガントな色と柄を活かして着る楽しさを味わって下さい。
上の作品は木綿のアンサンブルです。Tシャツとジャケットをお揃いにしました。花柄と麻の葉と七宝繋ぎなどを切りばめ風にアレンジした派手な模様です。
下の作品は木綿のシャツです。萩・芒・撫子などの秋草を雲どりの中に描いた繊細な模様を、ゴリゴリの綿のパンツの上に着る、若い人向けの普段着です。
作品批評
1点目はズボンの存在感が大きく色と太さが目立ちます。生地のオレンジ色がサンダルの色と合っているだけに、勿体ないところ。上のシャツとジャケットの組み合わせは成功しています。これまで3回にわたり紹介してきた切地風の柄の中で、最も継ぎ接ぎ感が成功しているように感じます。配色が落ち葉を想像させるからです。ただ、ベルトといい、ズボンといいもう少しオッサン臭さを抜いてほしい所ですが。
2点目はモデルの表情や姿勢が最もカッコよいと思いました。第1回・第2回とも室内で撮影したこともあって影が目立ちましたが、この写真は秋の林にいる感じが十分にして、やや肌寒い背景にモデルの強めの表情が対照的になっています。袖がフレアに広がっているのも特徴的。涼しい風を感じます。赤色と白色の花弁を胸部真ん中に持ってきてアクセントをがあります。衿はやや肌寒い感じがしますが、アームホール付近に紺色を持ってきているので、安定感が戻ってきた感じ。
白色の細いパンツが上衣に合っています。1960年代の残影か、細いパンツにフレア・スリーブと繋がると、ついヒッピー・ルックを想像しますが、背景と上衣の柄がそれを上書きしています。1点目よりも若々しいですね。
リード文批評
これまで3回に分けて6点を紹介してきました。テーマが「友禅模様のドレス」だったことを改めて思い出しました。てっきり友禅染めの絹織物の切地を継ぎ接ぎした布で作った服のシリーズかと思ったのですが、そういう柄(友禅染風の柄)に編んだニットを裁縫師たんですね。1970年代にこれほどニットが織物に近づいていたことを痛感。ファッション史はニット化だという説がありますが、目で見ると具体的な発展に驚きます。
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