カットビーズを飾ったドレス(ルリ・落合)
このページでは「婦人画報」1967年1月号、34頁・35頁に特集された「お正月の晴着」から「カットビーズを飾ったドレス」をご紹介しています。
撮影は藤井秀喜、デザインはルリ・落合です。
特集リード文
わに織られたジャージーの特徴をいかして、そのまま体に巻きつけ、ウエストをルーズにフィットさせたドレスです。シンプルな身頃を基調に、袖の長さは好みによってえらんでください。夕刻からのドレスらしく、お顔の近くにビーズ刺しゅうで華やかさと、立体感をだしたものです。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1967年1月号、35頁
特集リード文批評
ウエストをルーズにフィットさせるとは、対語を併記しているので一瞬わかりにくいですが、ウエストのフィット感を緩めにすること。
当時らしいミニのワンピースドレスが颯爽とした雰囲気で着られています。
輪の状態に織られたジャージーという点が難しいです。輪に編まれた、とすべきか…。
写真では見えにくいのですが、後のリード文から、いくつかの場所にビーズがちりばめられていることが分かります。
ピンクのドレスとブルーのドレス
リード文
ピンクのドレス きゃしゃな肩をむき出しにしたドレスは、同色に染めた駝鳥の羽のストールが可愛いアクセサリーです。
ブルーのドレス 今年はこんな小さな半袖も流行です。袖口にもビーズ刺繍をしました。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1967年1月号、35頁
リード文批評
ルリ・落合の作品はなぜかワクワクします。ピンクのドレスもブルーのドレスも、当時の宇宙服か衛生服(ナース服)を想像させます。手袋をつけて安定感をもたせています。
それにモデルの表情が良いです。
ルリ・落合のモデルはいつもこんな具合。ニコニコ笑っています。動きやすい服なんでしょう。それとも、笑顔を拾うのが上手いデザインなのでしょうか。
とくにピンクのドレスのモデル、小悪魔的な表情が堪りません。
不思議なのは靴。
同じ特集で他のデザイナーたちの写真では黒靴が多いのですが、こちらはベージュっぽい色で明るいです。
アクセサリーにも言及する、このデザイナー独特のトータルコーディネートを感じます。もっとも、小沢喜美子デザインの記事にも、このモデルと靴が登場しますが。
黄色いドレス
リード文
黄色いドレス 優雅な長袖はどなたも着やすいものです。細っそりと長くつくった毛皮の衿まきは、自由なアクセサリーになります。
出典 「婦人画報」婦人画報社、1967年1月号、35頁
リード文批評
先ほどの作品と違って、こちらは長袖。
他のデザイナーたちの写真に比べて、躍動感があります。
「婦人画報」1967年1月号の表紙と目次(外部リンク)はこちらをご覧ください。
コメント