ダイアン・フォン・ファステンバーグ

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ダイアン・フォン・ファステンバーグ

ダイアン・フォン・ファステンバーグ Diane von Furstenberg は1946年にベルギーのブリュッセルに生まれたファッション・デザイナー。ニューヨークで活躍し、『ニューズ・ウイーク』誌で「ココ・シャネル以来、最も成功した女性」(同誌1976年9月号)と言われました。

スイスのジュネーブ大学で経済学の学位を取得し、在学中に知り合った公爵イーゴン・フォン・ファーステンバーグと結婚しプリンセスになりました。

1970年の創業

1969年に夫とともに渡米。「快適でフェミニンなドレスを買いやすい価格で」をモットーに翌1970年ダイアン社を設立し、ニューヨークの5番街にオフィスを構えました。当初はニット・ドレスを得意としていました。

1976年、500万着ものラップワンピースを販売。以後、ダイアンは『ニューズ・ウィーク』や『ウォール・ストリート・ジャーナル』などの表紙を賑わします。そして、米国ラディカル・フェミニズムの活動家グロリア・スタイネム(Gloria Steinem)から、米国女優シェリル・ティーグス(Cheryl Tiegs)まで、ありとあらゆる女性がダイアン・フォン・ファーステンバーグのラップワンピースを着たといわれます。

ダイアンは1970年代ファッションおよびリベラルな女性などのアイコンとなりました。彼女の既製服はウォッシャブル性、着用範囲の広さ、着心地のよいスリムなラインなどを特徴としてシックなイメージで着られ、フェミニンで知性的な女性のあいだに人気が高まりました。

1970年代:多角経営

1970年代は、香水、サングラス、ドレス、スポーツウェア、毛皮、ラウンジウェア、コート、サングラス、バッグ、セーター、壁紙、家具などのライセンスを持つまでに発展。1979年には総売上げが400億円を越えました。

とくに1975年にスタートした香水は「愛に満ちた女性と思い出の男性のために」をテーマにして自分の娘のために名づけた「Tatiana」が直ぐにメガヒットを記録。また「化粧は女性と鏡の間の秘密事だ」と明言するダイアンは、次の挑戦を化粧品部門へとシフト。1970年代の終わりまで、ダイアンのセクシーで独特なスタイルは、普遍的な立場を得ました。ダイアン・フォン・ファーステンバーグという商標は一連の製品に見られるようになっていきます。

1980年代:化粧品事業への拡大とパリへの移動

化粧品事業が展開された後の1983年、ダイアンは、オートクチュール・コレクションに意識を集中させます。そして、ニューヨークのシェリー・ネザーランド・ビルにマイケル・グレイブスのデザインした小さなブティックをオープン。翌1984年、アメリカ・ファッション界の旋風に対し、ダイアンは突如として後ろ向きになり、パリへ移動します。それでも1989年のライセンス部門の売上は1000万ドルを突破したそうです。

1990年代:アメリカへの再移動と出版・編集事業への快諾

アメリカへ戻ってからのダイアンは1991年に生活インテリア・シリーズの一作目となる処女作『ベッド』を出版。以後『バス(浴室)』(1993年)、『テーブル』(1996年)と刊行を続けました。その間、ヴィンテージ・ショップでオリジナルなラップワンピースを購入する若い女性世代から影響を受け、ダイアンは息子の妻アレクサンドラの協力を得て、自身のドレスのデザインを再開しました。

その間、パイオニアのテレビショッピングではデザイナーとしてシルク製品のコレクションを公表したり(1992年)、『ヴァニティ・フェア』誌の編集(1993年)をしたりしました。

1997年、ウェスト・グリーンウィッチ・ヴィレッジにある19世紀風のキャリッジ・ハウスに本部を移転。同時にサクス5番街のセレクト・ショップでのライセンスもドレス部門を中心に展開しつつ、リテール(小売業)に復帰します。コレクションも、ブルーミングデイル、バーニー、スクープ、フレッド・セガールなどの系列ブランドを展開し、コレット、ヨゼフ&ジョイスブティックなど国際的な専門店もオープン。息子の妻アレクサンドラは新しい世代の架け橋としてスタジオのクリエイティブデザイナーに就任しました。

1998年には『Diane: A Signature Life』(Simon & Schuster)を出版。この本はファッション、ビジネス、生活における驚異的な彼女の自伝です。翌1999年にはリテールの戦略を専門店に集中させつつ、シグナチャー部門のコレクションも拡大させ、アクセサリーも手がけるようになります。

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2000年代以降

2000年、ダイアン・フォン・ファーステンバーグは、フルドレスとスポーツウェアのコレクションを追加。コレクションの展開は一層グローバルに拡大しました。さらに2002年にマイアミの「Village of Merrick Park」に店をオープンし、ニューヨークのウェスト・ヴィレッジにも「ダイアン・フォン・ファーステンバーグ」(DVF)を開店。翌2003年は香水とメイクアップのライン「ダイアン・フォン・ファーステンバーグ・ビューティ」にも着手。DVFのリテールは拡大を続け、ロンドンのノッティング・ヒルにも新しい店が開かれました。

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この記事を書いた人

いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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