このページでは「婦人画報」1967年2月号、30頁~31頁に特集された「旅行用からパーティーまでのバッグです」をご紹介しています。
この特集の上位特集は「アクセサリーこんにちは〈特集〉今日は!アクセサリー」です。
旅行用からパーティーまでのバッグです
リード文
ハンドバックは、文字通り手にさげる袋ですが、古代のヨーロッパでは、婦人は胴の飾りベルトに、鍵や小さな袋をにきやかにぶらきげて歩いていたものです。
出典 「婦人画報」1967年2月号、30頁
リード文批評
古代ヨーロッパから唐突に話を進めるのは近現代日本の悪しき説明スタンス。ハンドバックを直訳して意味に迫ろうとする姿勢はOK。
リード文
ビザンチン時代(395〜1453年)から、中世を通じてこの風習はうけつがれていましたが、1840年、ナポレオンがフランスについて以後は、スカートが小さくなったので、それまで、大きなスカートの中にかくされていたポケットがつけられなくなり、手でさげるバッグがはじめて登場してきました。
出典 「婦人画報」1967年2月号、30頁
リード文批評
まず文章が長い。適時読点を入れるべき。そして習慣の終点を中世とするのに対し、習慣の起点をビザンチン時代として古代としておらずアンバランス。また、ビザンチン時代は記されるとおり1000年を越える期間続くので起点として説得ではありません。
ビザンチン時代から中世までの習慣は胴ベルトに小物をぶら下げることであって、ナポレオンの登場によってポケットが消滅したと続きますが、それではいつ頃からポケットが登場したのか、この段階を説明していないので時系列的として説明が崩れています。
リード文
その当時のバッグは、刺繍した布に口金をつけて、それを手にさげて歩いていたようです。
材質は、はじめは布やレースなどでしたが、革を中心に、ビニールやプラスティックまで、新しい時代の素材を使って、形とともに、その時代の流行をつくってきたものです。婦人のショルダーバッグにしても、第二次大戦が必要上生みだした形です。
出典 「婦人画報」1967年2月号、30頁
材質の説明に時期を加えてほしいところ。
ビニールやプラスチックは20世紀、とくに1960年代から生まれたものでしょう。ビザンチンやナポレオンの固有名詞を入れる割に、材質の説明は時系列がさらに粗くなっています。
婦人のショルダーバッグが第2次世界大戦中に必要とされたことを初めて知ったので、少し調べてみました。
まず、ショルダーバッグは肩にかけるバッグのことで、手提式のものに比べてスポーティーで若々しい雰囲気がします。第2次大戦期には吊皮が多く、1960年代頃には金の鎖が多く使われました。用途が変わったということです。
では大戦期にはどうだったのでしょう。
スザンナ・ヨークの出演した「空軍大戦略」からショルダー・バッグの描き方を見てみましょう。
まずは、スザンナ・ヨークがショルダー・バッグに色んなものを詰める場面。小物を色々と詰めているようですが、メインは黒色かグレー色をしたバッグ一杯のものです。
次いで、ショルダー・バッグにものを詰めた後、ハーベイ役のスザンナはこの小屋を後に外へ出ます。そこに上司とバッタリ。女性が男性用塹壕に入ることを禁止するよう、ハーベイに注意します。
やや会話の流れについていきにくいのですが、女性にも塹壕へ入れるよう意見を使用としたときに上司が遮断した捨て台詞が「ガス・マスク入れはハンドバッグではない」というものでした。
やはりショルダー・バッグはガスマスクを中心に入れていたとわかります。
リード文
バッグは、材質と色を型とで、それぞれ性格のちがうものです。しかし、まず、なによりも大切なことは、目的にかなった大ききのものを選ぶということです。それは、バッグが女性にとって、単なるアクセサリーという以上に、必要な物入れだからです。
パーティーや観劇などにゆくときのバッグと、旅行するときに持つバッグでは、中に入れる物も量も、全く違います。流行の型や大きさにとらわれすぎて、目的をあとまわしにした選び方をして、後悔なさった方はいらっしゃいませんか?
目的がきまってから、服やその他の持物との調和を充電分研究してください。
出典 「婦人画報」1967年2月号、31頁
リード文批評
バッグはあくまでも物入れ。
TPOにあわせて大きさも変える点を丁寧に説明しています。
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