マネキン(mannequin)は衣服陳列用の人形や衣服宣伝用の人間のことです。マネキンは英語読み、マヌカンはフランス語読み。
日本語では1にマネキン、2にマヌカンを当てたり、2のファッション・モデルだけをマヌカンと呼んだりしてきましたが、欧米模倣の複雑化という態度に過ぎず、意義はありません。
あくまでも原義マネキン(mannequin)で考えましょう。
マネキンの二つの特徴:人形と人間
マネキンは冒頭の2通りの意味から、
- 服屋、デパート、化粧品店などで商品とともに陳列されている人形、または裁縫用人体(人台)
- 服屋、デパート、化粧品店などで販売や宣伝をする店員、またはファッション・モデル
を意味します。この2点を以下に詳しくみていきましょう。
人形としてのマネキン : マネキン、ボディ、トルソー
人形を意味する場合のマネキンで最も有名なのがショーウィンドーの人形と、裁縫用の人台です。
マネキン人形はディスプレー用に用いられ、人体に似たプロポーションをもって、頭、胴、腕、手、足などを備えています。
裁縫時に用いられる人台はダミーとも呼ばれます。
胴体部分だけのボディやトルソーもマネキンの一種です。定義や語源の詳しい違いは「マネキンとトルソの違いって何? | 日本コパック株式会社」(外部リンク)をご参照ください。
人間としてのマネキン :ファッション・モデル、売り子、マヌカン
売り子
売り子を意味する場合のマネキンは、百貨店や洋裁店などに勤務する販売員や、それらに出向する派遣販売員をさします。
その派遣会社は特にマネキン会社と呼ばれます(人形を売っている会社の意味ではなく)。
時代とともに消費者の情報量が増えると売り子の意義が相対的に下がります。
そのため、最近では人間のマネキンは次のファッション・モデルの意味を強めています。
ファッション・モデル
人間を意味する場合のマネキンで最も有名なのがファッション・モデルです。 欧米では特定の衣装店に専属して仕事をすることが多く、 日本ではモデル協会などに属すかフリーランスで仕事をすることが多いです。
美しい体型とプロポーションであることは大切な条件ですが、時代の感覚に応じて個性的なムードをもつことも要求されます。
また、全身モデルだけでなく、帽子、アクセサリー宣伝用の顔、頭部、頸部のみ、あるいは靴や手袋だけの写真用で脚や手のみのモデルなどがあります。
ファッション・モデルの誕生
ファッション・モデルの始まりは1840年にエマン仕立店が紳士服を男性モデルに着せたことといわれます。女性では1858年にパリのウォルト店でマダム・ウォルトが衣装を着たことといわれています。
彼ら彼女らに対価が支払われたことは明らかではなく、職業としてのファッション・モデルの始まりと規定するには史料が不足しています。
歴史的に有名なファッション・モデルには、後にジャック・ファット夫人となり、彼の仕事を助けたジュヌピエーブ、インド王子と結婚したニナ・ダイヤをはじめ、アリカーンと仲の良かったペッチーナなどがいます。
他に特筆すべきはリュッキーで、彼女はファットやディオールなどの店舗で仕事をした後にマヌカン共済組合とマヌカン学校を設立しました。
関連リンク
- マネキン・ボディ・什器のレンタル及び販売|株式会社 七彩 – マネキンをはじめ、ボディ、什器のデザイン制作、販売、レンタル、 ディスプレイや商業空間の演出、VMD、設計施工、病医院のプロデュース等を行なう七彩の公式サイト。
- 一般社団法人日本モデルエージェンシー協会 – 1993年に「日本ファッションモデル協会」と「日本モデル事業者協会」の合併により発足。肖像権、肖像財産権の確立、維持、擁護などを設立の目的とし、公正な肖像利用の促進を目指し、公共性のある団体として活動。また、モデルの安全な出演活動をサポートするために「安全管理マニュアル」も設置。
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