価値を保証する……毛皮のエンバ
信頼される価値 世界中から選び集めたエンバの毛皮
出典 「婦人画報」1975年1月号
リード文
本格的毛皮時代にふさわしくエンバが誇る、産地直送システムで世界中の一流毛皮60品種、120パターンと豊富に取りそろえております。それは、エンバだけが出来るシステムです。
ゆとりのファーファッション
エンバが心をこめて、お届けするクリスマスセールが始まりました。ぜひこのチャンスにぜいたくな気分を満喫下さい。12月24日迄です。
- なお30〜50%引商品も多数用意しております。
- 今、お求めになって、お支払はボーナスで。
(エンバ、20回払いローン)を始めました、ご利用下さい。
- アフターケアーも完璧、パーフェクト保管(保険付)システムで変らぬ価値を保証します。
- エンバの毛皮は安くありません。すべてがヨーロッパと同じ品物、同じ価格です。
- エンバはヨーロッパに輸出しております。
出典 「婦人画報」1975年1月号
リード文批評
ヨーロッパから輸入していると読みそうになりましたが「ヨーロッパに輸出して」いるんですね。広告の上の方には「世界中から選び集めた」ともありますから、日本の会社だとわかりました。
写真リード文
- お求めやすいエンバのシステム25,000円から超豪華品迄
- 世界中の毛皮を豊富に集め、ローン販売(20回分割)も取り扱っています。
- クリスマスセール中は特に原価提供でお届けします。
出典 「婦人画報」1975年1月号
写真リード文批評
1970年代・1980年代はよく《原価で》という言葉を聞きました。いまほど商売がシステム化していない余裕やゆとりを感じますが、他方でウソ臭い言葉でもありました。広告下部の「展示即売会」も昔はあちこちのホテルや百貨店でやっていました。とくにホテルでやると販売員の時間が節約できますね。
展示即売会はかなりウソ臭かったです。ちょっと懐かしいですが。今でも田舎や場末の百貨店では健在な販売法ですが、ネットショッピングに慣れると展示即売会がジュラ紀のように見えてしまいます…。売られているものもジュラ紀か…。
女優香川京子文
毛皮をお求めになるなら、エンバにご相談なさるのが良いと思います。毛皮は、信用のおけるお店で選びたいものです。
出典 「婦人画報」1975年1月号
女優香川京子文批評
「相談=買え」の典型的な方程式。
広告左下方文
毛皮を買う「コツ」
それは数ある中から貴女の個性に合う品を選ぶことです。
貴女の個性に合うコートが今なら選べます。
出典 「婦人画報」1975年1月号
広告左下方文批評
多数ある毛皮コートから貴女に合った商品を選ぶことが毛皮を買うコツ。選択肢を増やすことで未購入事例を減らそうという論理ですね。
全体の批評
毛皮のエンバ、エンバの毛皮、毛皮エンバと、同じ広告でなかなか安定しないキャッチフレーズと社名。展示会ラッシュにしろ文面にしろ、1970年代の薄利多売または暴利多売を確信させる、落ち着かない広告でした。
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