フォール・アンド・タフィンのスカート・スーツ
これはイギリスの衣料品店フォール・アンド・タフィンが1964年中頃にロンドンで制作した女性用スカート・スーツ(ジャケット・スーツ)です。
太い黒色と白色のオプティカル・チェックのウール製。
素材と技術
ウール製、ミシン縫製
ラベル
上下ともマリオン・フォール・アンド・サリー・タフィン(’MARION FOALE AND SALLY TUFFIN’)。
概説
フォール・アンド・タフィンは女性用のズボン・スーツを仕立てた最初のデザイナーの一人です。
このジャケットはそれよりも伝統的なスカートとペアになっています。
- ロングラインのダブル・ブレスト仕様ウール製テーラードジャケット。折襟、幅広ラペル、黒色・白色の中判チェックのウール製。単衣。
- 黒色・白色の大判チェックのウール製ショート・スカート。斜め裁断によるダイアモンド・シェイプ。単衣。
エピソード
このスーツはファッション・ジャーナリストのマリット・アレン(Marit Allen)が着たものです。
アレンは1961年にファッション・ジャーナリズムに入り「クイーン」誌のアシスタントになりました。
赴任後すぐにアレンは20ページほどの自己企画コーナーが与えられ、そこで若者たちのデザインや革新的な写真を紹介しました。
「クイーン」誌の編集者であるベアトリクス・ミラー(Beatrix Miller)はマリット・アレンを連れて1964年に「ヴォーグ」誌へ移籍しました。
10年間アレンは「ヴォーグ」誌のファッション編集者として勤めました。
「ヤング・アイディアズ」コーナーはアレンが執筆しキャプションも行なったもので、やはり若者のデザインやファッションを紹介したものです。
このコーナーは1960年代ファッションに大きな影響を与えました。彼女はしばしば記事の中で被写体として登場しました。
このスーツは「ヤング・アイディアズ」用に撮影され「ヴォーグ」誌イギリス版1964年9月1日号に掲載されました。
原作は21という店で16ギニーで販売されました。この店はウーランヅのデパートメント・ストアに出店していた影響力の強いブティックでした。
関連リンク
- Skirt suit | Foale, Marion | V&A Search the Collections:ヴィクトリア・アンド・アルヴァート・ミュージアム(Victoria and Albert Museum)公式サイト内、フォール・アンド・タフィンのスカート・スーツ(ジャケット・スーツ)の詳細ページ。概要と追加情報あり。この作品は2018年3月18日現在、同ミュージアムのファッション・コーナーに展示されています。展示情報や展示写真を紹介・提供して頂いた同志社大学の学生に感謝します。
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