モンドリアン・ドレス(1965年):イヴ・サンローラン
モンドリアン・ドレスはイヴ・サンローランが1965年に発表した作品です。
このドレスは画家のモンドリアンから着装を得たのでモンドリアン・ドレス(Mondrian Dress)と呼ばれます。
『ヴォーグ』フランス版1965年9月号の表紙に掲載されました。
作品批評
衿、袖、釦はありません。
輪郭はHラインで腰が少し窪んでいますが、着ればほとんどウェスト・ラインが無く、サック・ドレス(袋衣服)の一つです。
このドレスはジャージーで作られているため伸び縮みしやすく、サック・ドレスの中でも細めに作成されたものです。
ふつう、サック・ドレスは立体性が強調されるのに対し、この作品は、色の区画を用いることで、立体的な衣服を平面的に見せています。格子単位に黒色の布が縫われています。
The Met(外部リンク)の説明では格子の境界線に発生する縫目を隠すためとのことですが、黒を使っても縫目は隠されません。
これは恐らく配色や装飾性の問題で、原色同士をぶつけずに白を挿入したことで、さらに対照性を強調するために黒が用いられたと考えられます。もっとも、向かって右側の白黒白の連続部分はそれでも説明できませんが。
下端の黄色の部分が太い縁取りに見えます。この点が本作品に安定感を持たせています。
このドレスの配色は5色ですから多い印象です。
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