アニエス・ベー:日常生活をテーマにした女性デザイナー

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アニエス・ベー(Agnès B.)は、本名アニエス・トゥルブレ。1942年、パリ郊外ヴェルサイユにある弁護士の家に生まれたファッション・デザイナー。

ラ・ヴィ・コティディエンヌ(日常生活)がテーマならモード界最大の影響力をもつ女性デザイナー。

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経歴

美術館のキュレーターになるため、ヴェルサイユ美術学校に進学。卒業後、最初の夫クリスチャン・ブルゴワと結婚。出産・離婚を経て、19歳で『エル』誌のジュニア・モード担当編集者となりました。その後はスティリストとして「ドロテビス」で2年間働き、フリーのデザイナーとして「ピエール・ダルビー」へ。

創業と展開

1975年にパリ1区のレ・アールにブティック「アニエス・ベー」(1号店)をオープン。中央市場が引っ越した後のジュール通り3番地の肉屋を改造した店でした。タイル張りの床など肉屋の店舗の特徴が生かせるものは全て利用し、人々に強い印象を与えました。飾らないシンプルな店として、パリ中で評判になったそうです。

カーディガン・プレッション

1979年、最初の出荷となったカーディガン・プレッションは中でも爆発的なヒット。ドット・ボタン付きの綿メルトンのカーディガンは地球規模での売上を実現させたといっても言いすぎではなく、今日まで世界中で200万枚以上も販売されています。

多国籍化

1980年にはニューヨーク店をオープン(アニエス・ベー全体で2店目)。1981年には1号店の向かいに男性向けと子供服の店、1983年にはアムステルダムに女性向け、1984年には日本の1号店、パリにロリータ店をオープン。その後、イギリス、オーストラリア、スイス、香港にも店を展開。
1990年代後半になると、ホノルル、シンガポール、レバノン、ベイルートにも店をオープンし、現在、本家のフランス国内35店を凌ぐ、日本国内42店舗も含め、まさに地球規模で会社を展開している。

ギャラリー・デュ・ジュール

また1984年に1号店と同じジュール通りに「ギャラリー・デュ・ジュール」をオープンしました(現在はカンカンポア通りに移転)。そこでは若いアーティスト、画家、写真家たちの作品を展示し、公表の機会を与え、若手アーティストたちの支援を積極的に行なっています。

現在

現在では、最初の夫ブルゴワとの長男が経営を担当し、その後加わったファミリーで会社を運営しているメンズ・ライン、キッズ・ラインも展開し、都会的な美しさをもったシンプルなカジュアルスタイルで高い人気を得ている。
次のレポートはアニエス・ベーの人気アイテム「カーディガン・プレッション」に関連した「スナップ・カーディガン」写真展の様子。2013年に開催されました。1986年に小さな写真プロジェクトとして始まって写真展になりました。
映画監督のRoyston Tan(陈子谦、シンガポール)、写真家のLeslie Kee(レスリー・キー、シンガポール)、女優のKarena Lam(林嘉欣、香港)らの作品を収録した70枚の新作作品が展示されました。これらの作品は現在、パラゴンのアトリウムに展示されています。

What started out as a small photography project in 1986 has grown into the snap cardigan photo collection, now exhibited at the atrium of Paragon. 70 archived pieces and several new works are being showcased, featuring pieces by filmmaker Royston Tan (Singapore), photographer Leslie Kee (Singapore), and actress Karena Lam (Hong Kong). Written by Avril Lee via Agnès B. snap cardigan photo exhibition – LifestyleAsia Singapore

映画衣装のデザイン

アニエス・ベーは、サラエボ支援のためのアクセサリー販売、阪神淡路大震災復旧用のTシャツ販売など、ボランティアでも、さまざまな活動を行なってきました。
また、一般公開が難しいといわれたジャン・リュック・ゴダール『右側に気をつけろ』(87年)をサポート。映画への協力にも精力的です。
映画通の彼女が愛し称賛するのはスピルバーグやリュック・ベッソンではなく、ゴダールであり、パゾリーニであり、タランティーノであり、そしてスコセッシなのです。
参考までに、『マリ・クレール・ジャパン』第187号(1998年6月号)に掲載された「アニエスb.が選ぶ7本のシネマ」を紹介します。

  • 『ランジュ氏の犯罪』1935年:ジャン・ルノワール監督、ジュール・ベリー、ルネ・ルフェーブル他
  • 『セザール』1936年:マルセル・パニョル監督、レミュ、ピエール・フレネイ、フェルナン・シャルパン他
  • 『快楽』1952年:マックス・オフュルス監督、ジャン・ギャバン、シモーヌ・シモン他
  • 『はなればなれに』1964年:ジャン・リュック・ゴダール監督、アンナ・カリーナ、サミー・フレイ、クロードブラッスール他
  • 『サムライ』1967年:ジャン・ピエール・メルヴィル監督、アラン・ドロン、ナタリー・ドロン、フランソワ・ペリエ他
  • 『終電車』1980年:フランソワ・トリュフォー監督、カトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ドパリデュー他
  • 『冷たい水』1994年:オリヴィエ・アサヤス監督、ヴィルジニー・ルドワイアン、シプリアン・フーケ、ラズロ・サボ他
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この記事を書いた人

いろんなファッション歴史の本を読んで何も学べなかった残念なファッション歴史家。パンチのあるファッションの世界史をまとめようと思いながら早20年。2018年問題で仕事が激減したいま、どなたでもモチベーションや頑張るきっかけをください。

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