ファッション中毒
ファッション中毒:有名ファッション誌『グラマー』『USウィークリー』『コスモガール!』『マドモアゼル』などの編集者、ファッション・ジャーナリストとして活躍する著者が業界内部から行なった問題提起の著書です。
とはいえ業界の悪い側面がいくつも明らかにされる一方で、ファッション中毒から抜けられない消費者たちの肩を持つ観点もあり、読者は悲惨な現状を理解しながらも少し余裕を持って読み進めることができます。エピローグの題名は「なぜ私は心配するのを止めファッションを愛するようになったのか?」です。
本書の問題提起と内部告発
fashion victim(ファッション・ヴィクティム/流行被害者)を視点に著者が取り上げる様々な問題は次のようなものです。ファッション業界・アパレル業界にみられるトレンド・サイクルの加速(2「スピード・シック:トレンドの命は5分間!」)、メディアやエンタテインメントとの癒着(4「 もうファッションから逃げられない!:メディアとスタイルの蜜月関係」)、歪んだボディ・イメージ(5「痩せてなければオシャレじゃない:歪むボディ・イメージ」)、スウェットショップ(6「服を作っているのは誰?:ファッションの負の歴史と現状」)、化学物質、環境汚染、動物愛護(8「やさしさもトレンド次第?:動物愛護かファッションか」)などです。
それでもファッションが好き
本書の良い点は業界の裏事情を網羅しながらも、バランス良くファッションと付き合っていく方法を探ることができる点にあります。エピローグで著者は「欠点は多々あれども、やっぱり愛せずにはいられない存在、それがファッションなのである」(383頁)と結んでいます。それにしては業界のマイナス面が膨大に示されているのですが、そこは本書の文体がやや軽快であることで救われるのかもしれません。
ミシェル・リー『ファッション中毒―スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた―』和波雅子訳、日本放送出版協会、2004年
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English Summery
Fashion addiction:This is a book raising a problem that an author who is active as a editor, famous fashion journalist of a famous fashion magazine performed from inside the industry. Nonetheless, while a number of bad aspects of the industry are revealed, there are also perspectives of consumers who can not get out of fashion poisoning, and the reader reads with a margin while understanding the miserable situation You can proceed.
The good point of this book is that you can explore ways to go out with fashion in a balanced manner while covering the backstage of the industry. In the epilogue, the author concludes that “There are many faults, but existence that can not be loved without love, it is fashion” (p. 383). In that case, the negative side of the industry is shown enormously, but it may be saved because the style of this book is somewhat light.
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