キャット・ウーマンの魅力は夜に活動する怪しい雰囲気にあります。
バットマンと共演するバージョンでは彼とくっついたり離れたり、人間関係(あるいは動物関係)も映画の味を出しています。

キーワードは露出度とラテックスです。
映画の基本情報
キャット・ウーマンを知ったのはハル・ベリー(Halle Berry)主演の映画「キャット・ウーマン」(Catwoman)でした。
この映画は2004年に公開されました。
その後「バットマン・リターンズ」(Batman Retorns、1992年公開)を見てミシェル・ファイファー(Michelle Pfeiffer)のキャット・ウーマンにも惹かれました。
以下では、ハル・ベリーの演じるキャット・ウーマンをハル猫、ミシェル・ファイファーの演じるキャット・ウーマンをミシェル猫と呼びます。

ミシェル・ファイファー出演「バットマン・リターンズ」とハル・ベリー出演の「キャット・ウーマン」のDVDパッケージ。いずれのパッケージも (c) Package Design & Supplementary Material Compilation (c) 2005 Warner Bros. entertainment Inc. Distributed by Warner Home Video Inc.
キャット・ウーマンの雰囲気と衣装
二つの映画の二つの猫らしさ
ふつう、俳優は人間の動作をします。
それで、ハル猫では、まず今まで見たことのない猫の動きに驚き、かっこいいと思いました。この映画でハル・ベリーの健康そうな体型や表情にキャット・ウーマンのイメージが結びつきました。戦闘場面が猫らしい、快活な印象です。

ハル・ベリー演じるキャット・ウーマン (c) 2004 Village Roadshow Films (BVI) Limited.
ミシェル猫でも同じく動きが猫らしいものになっていますが、快活な動きに活かされている訳ではありません。戦闘していない場面の方がむしろ猫らしい。
ミシェル・ファイファーのセクシーな風貌が戦闘以外の場面で上手く活かされています。
また、夜の暗い怪しさがミシェル猫では強く醸し出されています。元々ハル猫に惹かれた私はミシェル猫に新しい魅力を感じました。

ミシェル・ファイファー演じるキャット・ウーマン (c) 2005 Warner Bros. Entetainment Inc.
二つの猫らしさにみる女性上位
二つの猫らしさは、似た場面でも少し違いが出てきます。
まずはハル猫。これは戦闘で相手を倒した時の場面。戦闘能力で圧倒したように写されています。

ハル・ベリー演じるキャット・ウーマン (c) 2004 Village Roadshow Films (BVI) Limited.
これに対してミシェル猫は、ハル猫と状況が異なりますが、バットマンに馬乗りになって告白するモード。

ミシェル・ファイファー演じるキャット・ウーマン (c) 2005 Warner Bros. Entetainment Inc.
ハル猫は映画で正義として登場しますが、ミシェル猫は揺れた正義を背負っています。
その辺りの違いが馬乗り(騎乗位)場面の違いに現れているように思います。ミシェル猫の不安定さは衣装に施された継ぎ接ぎの縫い目にも現われていて、多重性人格を思わせます。

ミシェル・ファイファー演じるキャット・ウーマン (c) 2005 Warner Bros. Entetainment Inc.
露出度の違い
両者の動きは同じとして、決定的に違うのは衣装です。
ハル猫では健康そうな体格を反映して露出度の高いコスチュームになっています。
もっとも、黒色レザーのジャケットやコートを来ている場合もありますが、基本的な衣装は黒色レザー地のビキニと長ズボン、ツーピース仕様です。

ハル・ベリー演じるキャット・ウーマン (c) 2004 Village Roadshow Films (BVI) Limited.
これに対してミシェル猫は露出度がかなり低くなっています。
黒色ラテックス地のスーツ。ワンピース仕様です。この露出度の低さの分、暗い怪しさがよりセクシーな印象を与えていると感じます。(マスクは両猫とも同じ程度の露出です。)

ミシェル・ファイファー演じるキャット・ウーマン (c) 2005 Warner Bros. Entetainment Inc.
ミシェル猫スーツにみるラテックス素材の特徴
ミシェル猫のスーツは艶出しをしています。
生地はゴム製でシリコンを塗っているのでかなりタイト。スーツに縫いつけられたコルセットはミシェルを締めつけます。
着た当初にミシェルは演じられないと愚痴っていましたが、コルセット部分を作ったフィル・レイノルズはこれまでバレエ衣装やオペラ衣装にコルセットを作ったキャリアがあるので、やがてミシェルにも馴染んだようです。

ミシェル・ファイファー演じるキャット・ウーマン (c) 2005 Warner Bros. Entetainment Inc.
このスーツのゴム生地はラテックスと呼ばれるもの。ラテックスは天然ゴムや合成ゴムをエマルジョン化や乳化して作られます。
ミシェルがドン引きした強烈な締め付けから、このキャット・スーツはボンデージ・スーツともいわれます。エスエム・プレイ(SMプレイ)、とくにゴム・フェチやラバー・フェチの方々のラバー・プレイやラテックス・プレイの代表的な衣装または衣装素材です。
SMプレイで女王様役(S役・サド役)を務める人たちもこのボンデージ・スーツをよく着ます。
この点、ミシェル猫のもつ複雑な性格をS役も務めているのかと思います。女王様こそ最高のマゾである所以です。
この種のスーツをよく着る有名人はアメリカの歌手マドンナですね。
服の締め付けと情念の熱さとの対照性からはウォン・カーウァイ監督「花様年華」を思い出します。
キャット・ウーマンの尻尾
最後にハル猫とミシェル猫の尻尾について確認しましょう。
ハル猫もミシェル猫も尻尾がありません。これは「バットマン・リターンズ」で考えられた発想で、尻尾の代わりに鞭を使い、尻尾のように見せて武器にしたものです。ミシェル猫は鞭を背中に刺して携行しています。

ミシェル・ファイファー演じるキャット・ウーマン (c) 2005 Warner Bros. Entetainment Inc.
最後に、
ミシェル猫のキャットスーツは、日中のセリーナ・スカイルが夜中に自分で制作したものです。
この制作状況を姉妹サイトで迫っています。ぜひご覧ください。
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